1月25日(金)に、藤原会長にお会いするために、しまむらの本社(さいたま市北区宮原)を訪問した。取材時間は90分を予定していたが、お昼をご馳走になった上、今回も2時間40分のロングインタビューになった。
話が長くなったのは、もちろん「小川町物語」の取材のせいではあるが、本当の理由はそうではない。4月に開校する法政大学理工学部機械工学科、航空操縦専修(募集定員30名)の話で盛り上がってしまったためである。
何かの雑誌に、藤原さんは「若い頃からパイロットの免許を取得したいと思っていた」と書いてあった。なので、法政大学のパイロット養成プログラムのパンフレットを当日は持参した。インタビューが始まる前にとりあえず、「(会長が)まだ取得していないのあれば、民間のパイロット訓練施設も福島には併設してあるので、福島空港でどうぞ」くらいに思って、切り出した話であった。
説明をはじめるやいなや、「昨年の12月に、インドネシアで免許を取得しましたよ!」とのお答え。そういえば、12月13日に、ヤオコーの川野会長から藤原会長に直接電話をしていただき、面談のアポイントをとっていただいたとき、川野さんからは「(藤原会長は)明日から海外に出るみたいなので、インタビューは年明けになりますが、よろしいですよね」と伝えられていた。米国や欧州の道を、レンタカーを借りてご自分で運転することは聞いていた。今回もたぶん、年末にそうした旅行をされるのだろうなと推測していた。
藤原会長の行き先は、ジャカルタ郊外の国内線空港施設だった。パイロットになるための飛行訓練と最終実地試験を受けるためであった。見事合格して帰国したらしいのである。インドネシアの免許を日本国内免許に切り替えるのが、つぎの段階らしい。
法政大学の航空操縦専修でも、出願にあたっては、身体(適性)検査合格と英検2級取得が義務付けられる。若い子が受験するわけだが、それでも身体検査では半分が不合格になるらしい。藤原さんは今年で67歳。ふたつのハードル(+無線免許)をなんなくクリアしてしまうのだから、本当にたいした人物である。ただし、計器を見るためには苦労はしたらしい。
「小川先生、やるんだったら早めに、若い方ときのほうがいいですよ。だんだん計器が見えにくくなっていくもんだから」(藤原さん)
「わたしの場合は、お金も時間もないですし。健康でもない(白内障)です」といったら、こともなげに、「手術すれば見えるようになりますよ。わたしも場合も…」
実に合理的で、淡々とした人柄である。福島空港で、4月に航空操縦専修の入学式があるらしい。藤原さんに、格納庫と滑走路のこけら落としで操縦訓練をやってもらったらどうだろうか? そのときは、法政大学のパイロット訓練用の制服を寄附してもらって、しまむら製のブランド(セオリア)とか? ちょっとやりすぎになるかな。