7月15日掲載のコラム「ワンコイン古雑誌が隆盛を極めている」について追記しておくことにする。研究室と飲み屋(市ヶ谷プロント!)で、このテーマについてワイワイ議論しているうちに、新しい事実に気づいたからである。
第一点: ワンコイン古雑誌が「きれいに」回収できるようになったのは、JRや地下鉄などの駅構内で、新聞・雑誌が他のゴミと分別回収されるようになった点が大きいのではないか(小川説)。実際に、ゴミ箱から漁ってきた雑誌でも、いまや食べ物などとは混じっていないから、体裁は新本とほとんど変わらずに汚れが少ないのではないだろうか。
それと、もう一つの観点(これはすごい因果関係!)。浮浪者の仕事内容からの説明である。段ボールの回収業が成り立たなくなって、浮浪者が仕事にあぶれたことが、ワンコイン古雑誌の隆盛を説明できるのではないかという観点である。
ある学生の説明では、まず数年前から段ボール価格が低下した(これは事実である)。その結果、浅草・上野近辺などで一般的だったリヤカーでの段ボール回収業が成り立たなくなる。つぎに、浮浪者は、空き缶の回収にまわるが、空き缶も価格が下落した。最後に、彼らが着目したのが、より割り良い雑誌回収ではなかったのか?
こうして見ると、リサイクル運動と浮浪者の仕事が、因果関係で結ばれている構図が見えてすごく面白い。しかし、本当に正しいのかな? この推論は。