【北海道ツアー、ご報告(下)】わたしのシルバーウイーク(9月17日~23日)

 前編(上)では、19日に斜里町のペンションに宿泊することが決まったところまで、お伝えしました。後編(下)では、20日に、道東の景勝地を武藤さんとドライブすることになった顛末をご紹介します。ちょっとばかり、いやいや、かなりスリリングな旅になりました。

 前泊(19日)は、「しれとこくらぶ」というペンションの泊まることになりました。武藤さんのロータリークラブの友人で、武藤さんと同年代の女性の方が経営している素敵な宿です。到着すると、玄関の前に、大きなバイクが停まっていました。
 バイクに詳しくはないので、排気量はわかりません。とにかくデカい車輪が3つついています。ハーレーダビッドソンのクラシックな車体です。値段は、1千万円をはるかに超えていそうです。中年の金持ちライダーたちですね。50歳代の後半でしょうか?
 髭を蓄えた男性2人が、暖炉脇で食事を摂っています。どうやら、ドライバーはその2人らしく(声を掛けて、じっさいのところは確認はしていません)。ナンバープレートを見ると、「鹿児島ナンバー」でした。二人してツーリングでやってきたようです。フェリーを使っても一週間はかかるはずです。ペンションの「しれとこくらぶ」は、そんなお客さんたちが宿泊する素敵な宿に見えました。

 さて、わたしたち二人は、一か月前に購入したばかりの新品の軽自動車で、知床斜里から根室まで南に下って行くことになります。スタートは、朝8時の予定でした。ところが、武藤さんが30分遅れてお迎えに来ました。この30分のタイムロスが、実は後々まで響くことになります。
 ペンションを出てから海沿いに国道を南下して、まずは野付半島の「とどわら」へ。細長く湾曲した野付半島は、斜里町と根室のほぼ中間地点にあります。かつてはとど松の林だったのが、地盤沈下で海に沈んだ場所です。
 野付半島の「ネーチャーセンター」の写真と当時の記録によると、40年前には湾内に沈んで林立していた「とど松の原っぱ」(「どどわら」と呼ばれる由来)が、いま現在でわたしたちが観たのは、朽ちた根っこが点在する荒涼とした風景でした。まずは、第一関門は終了です。ここからさらに道東の原野を300KM以上、ドライブすることになります。
 
 1時間半ほど野付半島の先端まで歩いてから(お腹を減らすのが目的でした)、再び車で根室方面に向かいます。そのころには、霧雨が本格的な雨に変わります。根室を過ぎて納沙布岬に到達するころには、雨が大降りに変わりました。
 そういえば、途中の道の駅で、食事をすることになりました。大きく開口部が開いたガラス窓の向こうに、晴れていると国後島が見るのだそうです。いまは霧の中で全く見えません。とても残念でしたが、とどわらで時間を使ってしまったので、致し方なしでした。
 ランチは、武藤さん御用達の「エスカロップ」を美味しくいただきました。エスカロップは、北海道根室市のソールフードです。バターライス(またはケチャップライス)の上に薄切りのとんかつを乗せたワンプレートの料理です。デミグラソースをかけて食べます。
 美味しくいただいたお礼に、エスカロップは、わたしが奢りました。食後のコーヒーは、武藤さんが支払ってくださいました。
 
 ところで、食事のあとで根室市街から納沙布岬までは、約23KM。岬に到達すると武藤さんが言います。「先生、花咲線に乗らないといけないから、ここ(納沙布岬)は見るだけにして、車から降りて歩くはやめましょうね」と言います。野付半島で「とどわら」を見るため、足元が不安定な野っぱらを4KMは歩いています。
  武藤さんとしては、最初から納沙布岬の先端まで歩くことは想定していなかったようです。それにしても、オホーツク海に浮かぶ国後島は、霧の向こうで全く見ることができないのです。わたしの判断も確かめず、武藤さんは「北方領土返還」の看板の前で鋭くカーブを描いて、復路を根室駅に向かいます。
 花咲線の根室発-釧路行き、各駅停車の発車時刻が迫っています。花咲線の各駅停車は、根室発が13時36分です。復路を走っている帰り道で、ナビの画面で予定到着時刻を見ると、根室駅は13時30ジャスト。もし右折か左折で一回でも道を間違えてしまったら、わたしの「花咲線乗車体験」がパーになってしまいます。ドキドキ、、、
 
 わたしはかなり焦りましたが、武藤さんは少しも慌てる様子がありません。大物なのか?慣れているのか?たぶんその両方だと思います。釧路駅には、予定の13時30分より少し早めに無事に到着しました。
 わたしはトイレに駆け込み(おもらしいが危ない!)、落石駅行きの乗車券(紙の切符)を窓口で購入しました。3つ先の落石(おちいし)駅到着は、13時56分です。武藤さんは先回りをして、落石駅でわたしと落ち合うことになっていました。
 お互いにそう思っていましたが、列車内のわたしのLINEに武藤さんからメッセージが届きます。「先生、厚床(あっとこ)まで延長して乗ります?」。わたしに花咲線をもう少し楽しんでもらいたかったらしいのです。Lineに送られてきた時刻表の画面を見ると、落石駅から2つ先の厚床駅着が、14時22分です。
 26分の「オマケ乗車」でしたが、武藤さんの車は、厚床駅に3分前に到着していました。ふー、雨の中、厚床の駅で武藤さんに拾ってもらいます。確かに、花咲線は5駅も乗って満腹でした。

 この先は、省略して書きます。この後も、細かなドタバタ劇は、まだいくつかあったのですが、長くなりそうなのでそれは省きます。
 ふつうは、そのまま次の目的地である「夕焼けノロッコ号」の始発駅・塘路まで一直線に走るだろうと思っています。しかし、武藤さんは、ハンドルを海岸線の方向に切りました。わたしに、霧多布岬の断崖を見せたかったようです。「ルパン三世」の漫画に出てくる岬の断崖絶壁(だそう)です)。
 結論を言うと、霧多布岬には到達したのですが、大雨で海の向こうを眺めることができずに、霧多布岬からは早々に退散することになりました。切り返して北に向かう段階で時間を計算すると、始発駅のノロッコ電車に間に合わなくなることがわかりました。塘路駅までは、手に汗を握る1時間のドライブになります。
 詳しいことは省略しますが、「夕焼けノロッコ号」が塘路駅を出る5分前に、どうにか駅に到着できました。出発時刻にはようやく間に合ったのですが、実は線路の状態の影響で、出発が10分遅れるというおまけがつきました。ここで、武藤さんとはお別れです。
 
 このあと、美しい夕焼けの釧路湿原を見ることができたのですが、ノロッコ号を下りてからまたひと騒動がありました。釧路駅前発-釧路空港行きの最終バスまで、乗り継ぎが15分しか余裕がなかったのです。
 しかも、釧路空港からの羽田空港行き最終便は、台風25号の影響で仙台上空で大きく揺れました。そして25分遅れて羽田に到着しました。武藤さんと一緒に、とんだ珍道中を体験させていただくことになりました。
 それにしても、その都度都度、おろおろするわたしを尻目に、武藤さんは一度も動じることがありませんでした。女は、やはり強しでしたね。

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