昨日は、3社(三菱商事、ローソン、KDDI)の合同会見の場におりました。全体のプレゼンテーションは約1時間。質疑応答の時間を入れると、全体では90分ほどの長さでした。わたしは、フォトセッションの時間がはじまってすぐに、会見の場を後にしました。秋田から来た友人と約束があったからです。
この後のコメントは、ローソンで複数店を経営しているMO(マネジメントオーナー)さん、横浜の前田明さんに送ったものです。3社の会見後に、YouTubeの動画とともに、わたしにメールで感想を送ってきてくださったからです。
「ローソンの方針説明会とは明らかに違うプレゼンのトーン。此方はこちらですごく新鮮」(前田明オーナー)。
以下は、前田さんの感想に、早朝にわたしから返信したメールです(少し編集してあります)。
合同記者会見に臨んだ3人の社長さんたちのプレゼンを、宴会場の一番後ろに腰掛けて聞いていました。会見場に居合わせた目的は、いま自分が執筆している「ローソン本」(10章分を脱稿)との齟齬をチェックする必要があったからです。まさに、「自分のためのお仕事」でした。
すでに書き上げてしまっている本の内容は、3人のお話と矛盾するところがほぼありませんでした。そのように思います。3人のプレゼンの内容は、ほぼ予想の範囲でした。とりあえずはほっとして、帰宅しました。
三菱商事さん(中西社長)は、すでに25年のローソン歴があります。素材と加工、物流の側面から、これまでもローソンの経営にコミットしてきました。その延長線上で、資本の出し手としての継続して経営に関与を続けることを宣言していました。中西さんのプレゼンは、ごく手慣れたモノでした。
二番目に登壇したローソンの竹増さんは、ややプレゼンがやりにくかったと思います。2人の社長さんたちに挟まれていたからです。主役でありながら、なんとなくサンドイッチ状態。お二人に気を使う場面が多かったように思います。竹増さんは配慮の人ですから。80点ですかね。
三番目の高橋KDDI社長のプレゼンは、やや前のめりに見えました。もしかすると、ローソンという新しい小売り実験場を得て、嬉々としているようにも見えます。情報関連の技術は持っていても、案外と投資機会は少ないのです。
2025年に完成する高輪の新社屋に、ローソンのテスト店舗を出します。それもほぼ予想通りの内容でした。DXとロボティクスです。横展開には、かなりの時間を要するように思いました。2030年を目指して、3社が手を繋ぎ続けることができればですが。
前田さんがプレゼンのトーンが違うと感じられたとしたら,それは未来のコンビニの本当の姿がまだ見えていない中での、シミュレーションの発現だったからだと思います。
追伸です。合同会見で気になったことが3点ありました。ローソンの竹増社長からのポジティブな発言ではあったのですが、2社の経営トップへのリップサービスもあったのかな?というのが正直なところです。質疑応答の場面での回答で気になった3点です。
(1)2030年までに30%のオペレーションコストの削減を前面に打ち出したこと。これは、年間5%の店舗運営コストの削減に相当します。よほど頑張らないと、実現がかなり難しい目標設定です。
(2)質疑応答の中で、竹増さんに日販に関する質問が出ました。竹増社長は、これに対して「2割から3割の伸びしろはまだある」との答弁をなさっていました。伸びしろが「2割」ならば、セブンーイレブンを3年から5年で、日販で追い抜いてしまいます。
これが、本体の商品販売で実現するのか、配送や付加サービスで達成できるのかは不明でした。
(3)新発注システムの「ai.co」についてです。「オーナーさんからの反応はとてもよろしい」とお答えになっていました。しかし、代表的なMOさんたちに電話で取材した印象では、半年弱の導入実績はグレーな状態でした。浸透にはまだ時間がかかりそうです。
わたしの本の第10章は、「未完の挑戦」を予定しています。
セミオート発注、ai.coによる店利益最大化の取り組み、値引き販売(余田オーナー)、アナチョイや冷凍おにぎりの投入、製造現場と物流改革(涌井本部長)などがテーマです。これまで未完のチャレンジを総括してみます(追伸が長くなりました)。
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