『TrueNorth リーダーたちの羅針盤、フィールドブック』(生産性出版、2024年)が、本日、全国の書店に並びます。林麻矢さんとの3度目の翻訳書になります。麻矢さんは、これにて(3冊目の翻訳で)翻訳家として認定されることになります。
本書は、準備段階から1年間。その後の校正作業が難航しました。本書に先立ち、本編のビル・ジョージ著『TrueNorth リーダーたちの羅針盤』(生産性出版)は、2017年著刊行されています。4刷りで、いまでもよく売れています。人事関係やリーダーシップ論の書籍として、評価の高い一冊になっています。
わたしたちは、マーケティングの研究者・翻訳者です。ところが、7年前にあることがきっかけで、専門領域でもない本書を訳すことになりました。ビル・ジョージ著の初版(日本語のタイトルは違っていますが、原著は同じ著者によるもの)は、早稲田大学の先生が翻訳をして生産性出版から出版されました。
ところが、改訂版が出たところで、先生がお亡くなりになられました。代わりの翻訳者を探していたところ、編集者が法政大学に持ち込んできたのが、本書の本編にあたる『TrueNorth リーダーたちの羅針盤』(邦訳は2017年)でした。
本編がよく売れている最大の要因は、原著者による授業の評判と内容そのものによるものです。ハーバード大学のビジネススクールで採用されているテキストだからです。「(株)オイシックス」の代表取締役の高島宏平社長も、同大学のエグゼクティブコースを受講したとき、「リーダーシップ論」のテキストだったと話していました。
数年前に、本編の「ワークブック(演習で使用するサブテキスト)」が存在することに気がつきました。2015年に刊行された”field book”です。読者が自学自習できて、書き込みができるタイプの本です。内容のベースは本編そのものですが、本のサイズはその半分でした。
フィールドブックを翻訳しておけば、本編を参照しながら、大学院のグループ討議や演習に使用することができます。というわけで、翻訳作業がスタートしました。
紆余曲折があって、予定より数か月遅れての発売になりました。知り合いの研究者や企業家に見本刷りを配布してみたところ、評判はなかなかのものです。大学院の授業や企業研修セミナーに使用することが、これから増えてくるのではないかと期待しています。
昨日(4月1日)、元院生たち4人に協力してもらって、演習課題の「回答例」をブログにアップしました。PDFファイルをダウンロードして、自学自習する際の参考にしていただけると幸いです。
なお、これを機会に、企業向けの研修セミナーなどを開催したく思います。
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