昨日は、鉄ちゃん家族で唯一、寝台列車に乗車経験がないわが妻が、はじめてサンライズを体験する日だった。「だった」と過去形で書いたのは、サンライズ出雲・瀬戸が昨日、伯備線の倒木が原因で運休になったからである。夜行寝台列車デビューが叶わなかったのである。2週間前に、次男の真継君から乗車券を予約してもらい、前日(17日)から、ずいぶんとそわそわと落ち着かなかった。
本人曰く、「夜行列車に時間をまちがえずに、本当に乗れるかどうか心配」と、当日の朝からはとくに不安がっていた。まるで入試の前日か、テニスの試合前に眠れない少女のような「ふわふわ感」だった。結婚して45年になるが、こんな彼女を見たことがなかった。それほどの落ち着きのなさだった。
それでも、夕方からは、わたしたちのためにたくさんの料理を作ってくれた。本人としては、気を紛らわすために台所に立っていたようだった。野菜の天ぷらと牡蠣のバター焼きソテーを作って、18時にはふたりで夕食をはじめた。19時半過ぎに、京成高砂駅で白井の友人と待ち合わせて、東京駅に向かうことになっていた。
19時ごろに、3階から鉄ちゃんの穂高君(小学2年生)が、まさえさん(妻)の様子を伺いに1階に降りてきた。サンライズ出雲に乗車するまさえさんに、「いってらっしゃい」を言いたかったらしかった。来週は、自分(穂高くん)も父親(次男の真継くん)とサンライズ出雲に乗ることになっている。
穂高とあずちゃん(次男の嫁)に、「では、行って参ります!」と手を振って、元気よくキャリーバックを抱えて玄関を出て行った。島根旅行を一緒に計画している友人とは、無事に高砂駅で落ち合えたようだった。わたしは、そわそわのお姉さんをお見送りしてから、「やれやれ」と食後のホットウヰスキーを飲み始めていた。
何時頃だったのだろう。京都の娘から家族LINEに、「寝台列車 運行情報:JR西日本列車運行情報」というURLが表示されたメールが送られてきた。かみさんのそわそわは、これが原因だったのだ! 「寝台列車運行状況(20時41分現在)」の下には、
【サンライズ瀬戸、出雲】 倒木 運転取り止め2023年12月18日 00時00分更新
伯備線で発生した倒木のため、12月18日始発の寝台特急サンライズ瀬戸・サンライズ出雲号の運転を取り止めます。
【東京⇒高松・出雲市方面】
サンライズ瀬戸号・サンライズ出雲号
(12月18日 東京駅 21時50分発)~(12月19日 高松駅 7時27分着・出雲市駅 9時58分着)
サンライズ出雲・瀬戸号(岡山までは連結状態)は、東京駅のホームに、21時20分ごろに入線してくるはずだった。
わたしからは、「出雲と瀬戸が一緒に入線してくるから、どっちか写真で撮って送ってね」とお願いをしてあった。【倒木情報】の告知時刻は、20時41分。そろそろサンライズの写真が送られてくるだろうと、首を長くして待っていた時間帯だった。
これで運休は確定した。娘のともみからは、「寝台特急が運休だとすると、始発ののぞみは、東京駅発6:33。岡山駅から特急やくも7号(10:05発)に乗り継いで、出雲市駅の到着が13:11」と先回り情報が飛んできた。やることが異常に早い。どこまでJRが対応してくれるのかはわからないが(大阪駅で車両宿泊の特別サービスが提供されたことが後ほど判明)、ふたりはともみの提案にしたがい、翌朝の新幹線から岡山駅乗り換えの切符を手配した。
その後の保障はわからないが、ご両人は東京駅から品川に移動して、宿泊先は、品川の東武ホテルを予約した。そして、本日の早朝、「無事にのぞみ5号に乗れました」と品川駅から家族LINEにメールが届いた。
さて、いまは夕方の19時。出雲市駅で、大阪の友人と待ち合わせて、出雲大社に向かったはずである。まだ報告は来ていないが、本日の行程は、無事に進行しているらしい。
今夜は玉造温泉に宿泊することになっている。美人の湯で有名である。全員がさらにお肌に磨きをかけて帰ってくるのだろう。
とはいえ、かみさんの寝台特急サンライズ乗車体験は、次回に持ち越されることになった。
<蛇足>
昨日の「倒木で運休」を検索していたら、数日前(12月15日)にも、サンライズは運休していたことがわかった(以下の情報参照のこと)。
わたしも、運休ではないが、ハーフマラソンを走るために乗ったサンライズ出雲号が、雪のために列車が遅れたことがあった。「出雲くにびきマラソン」の大会事務局が、気をきかせて、到着してから1時間後にスタートの「10KMレース」にエントリーし直してゼッケンを準備してくれていたことある。だから、サンライズあるある事件なのだが、嬉しいハプニングを経験している。
この顛末は、『月刊ランナーズ』で紹介したことがある。それくらいに、遅延や運休は頻発しているらしい。サンライズとしては、とりたてて珍しいことではないということなのだろう。今日の今日まで、自分の経験はとても特殊なのだとばかり思っていた。
ところが、月に一回程度、出てくるは出てくるは、列車の運休は日常茶飯事だった。これはこれで、JRとしては対応慣れしていそうだった。乗る側から見ると、運転中止や遅延は覚悟しておくべきだったのである。鉄ちゃんとしては、それでも乗りたい電車なのではある。
わたしは、次回は2024年2月4日(高松~東京)を予定している。丸亀ハーフマラソンを走ってから、上り列車のサンライズ瀬戸を帰路で利用するつもりだ。さてさて、運休の確率はどのくらいだろうか?
<追加情報>
【サンライズ瀬戸、出雲】車両トラブル 運転取り止め2023年12月15日 08時52分更新
東海道線での車両トラブルのため、12月15日始発の寝台特急サンライズ瀬戸号・サンライズ出雲号の運転を取り止めます。
【東京⇒高松/琴平・出雲市方面】
サンライズ瀬戸号・サンライズ出雲号
(12月15日 東京駅 21時50分発)~(12月16日 高松駅 7時27分着/琴平駅 8時39分・出雲市駅 9時58分着)