昨日の夕方、家族や親しい友人たちで、サイン本を購入してくださった方たちに、こんなメールを送りました。「みなさん。こんばんは。こんな紹介文が小学館さんから。自費出版部門スクウェアのどなたかが、書いてくださったものです」(https://shogakukan-square.jp/publish/tsubuyaki/3124/)。
50冊以上の本を発表しましたが、こんな素敵な紹介文は、いままでいただいたことがありません。
感謝、感激でした。さすがに名だたる出版社の編集者の方です。当たり前ですが、文章が上手です!しかも、著者がそのように発言するのもどうかと思いますが、本の紹介の仕方が的確で秀逸です。
自分も、他人の本を紹介するときの参考になりました。
半年前の本の制作過程のスタートから、文章の校正やデザインの進行具合を見ていてくださったようです。わたしの好みやアートディレクターの大内おさむさんとのやり取りを、きっと興味深くごらんいただいていた様子です。この紹介文からも、それが伝わってきます。
読者の皆さんから戻ってくる感想のメールは、反応が共通しています。本を最初に手に取ったときの印象は、パープルの三方小口塗と、表紙デザインのデボス加工(凹み)です。みなさん、本を手に取ってみて、最初に表紙のデザインと紙質の感触を確かめてみるようです。
この本は、文章を読む前に、まずはぱらぱらと紙をめくっていただきたいのです。手に取って紙に触っていただきながら、本の中に挟んであるイラスト(葛飾の周辺地図)や各章の扉(絵図のグラデーション)、各節の番号(数字の形)のバリエーションを楽しんでいただきたい。
そう考えて、大内さんは、全体の装丁と細部のデザインにも工夫を凝らしています。わたしの拘り(娘が描いたキャラクターとテーマカラーの紫色)を採用しつつも、次々に奇想天外なアイデアを提案していただきました。
大内さんとの最初のミーティングの際に、「制作コストのことは度外視して、自由にデザインしてください!」とお願いしました。作家としてのデビュー作でもあります。
実は、打ち合わせのときに、大内さんとは「アート作品としての紙の書籍」という議論をしました。デジタルでなく、紙の本の優位性を二人で議論して合意しました。そのときのやり取りは、本ブログ「大内仮説:紙の本がなくならない8番目の理由」(https://kosuke-ogawa.com/?eid=6039#sequel)に紹介されています。
今回の成果物(わんすけ本)は、そのときの会話から生まれたものだとわたしは理解しています。この後に添付する「小学館チーム」の本の紹介文と、大内さんのデザインに対する思想を比較してみてください。
『しまむらとヤオコー』(小学館、2011年)、『CSは女子力で決まる!』(生産性出版、2014年)、『青いりんごの物語』(PHP研究所、2022年)で、これまでも、大内さん(ナノナノグラフィックス)とは素敵なタッグマッチを組ませていただきました。
今回も素敵な装丁が完成してました。他のアートディレクターの方には、もはや本のデザインを依頼できなくなっています。
以下は、小学館スクウェアのサイトからの引用です(本来は、デザインの写真が挿入されています)。
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#15【紹介】『わんすけ先生、消防団員になる。』
みなさん、こんにちは。
小学館スクウェアのエマと、こてつです。
今回は、10月に発売された『わんすけ先生、消防団員になる。』についてご紹介したいと思います。
この本は、法政大学名誉教授の小川孔輔氏が、小石川一輔のペンネームで出版した処女小説です。
「わんすけ先生」と呼ばれる主人公が、東京の下町を舞台に、縦横無尽に活躍します。
経営学者として数々の著作物を世に送り出してきた小川氏が、満を持して小説家になるという夢を叶えた本書。
実は、内容以外にも著者のこだわりが隠れています。
白を基調とした上品なカバーデザインには、著者のイメージカラーの「紫」が使われています。
この紫は、小口塗(こぐちぬり)といって、本の断面にも塗られています。
<<細部までこだわっているワン!(わんちゃんの写真あり)>>
さらに、デボス加工によって、文字やイラストの部分だけが、実は凹んでいるのです。
見えるかな?
手にした瞬間、目にした瞬間から、何度もカバーに触れたり、いろんな角度で見たりしたくなるような造りになっています。
デザインを手がけたのは、ナノナノグラフィックスのおおうちおさむ氏と山田彩純氏。
既に小川氏とは何度かタッグを組み、珍しい加工を施した「唯一無二」の本となっています。
ぜひ、実際に手に取ってこれらの加工をご覧ください。書店で探してみてくださいね!!
☆次回は、10/24(火)更新予定です。
それでは、また次回お会いしましょう。