ローソン株主総会2023、参加しての感想@東京国際フォーラム

 上場企業の株式は、投資のために10数銘柄を保有している。しかし、株主総会に出席したことが一度もなかった。生まれてはじめて、株主総会に臨席することになった。昨日の午前10時から1時間半。場所は、有楽町の東京国際フォーラム。トレードフェアや展示会を主宰している関係で、よく行く場所である。しかし、株主総会となるとまったく勝手がちがった。

 

 ローソンの書籍を執筆する準備をしている。各部門の担当者のインタビューがはじまって、2か月になる。

 今回は、株主総会がどのように進行しているのかを確認するためで、取材の一環として総会に出席した。冒頭で説明があったが、竹増社長が業績と将来の展望をどのように話すかにも興味があった。

 以下は、臨席しての率直な感想である。

 

1 株主総会は、思っていたより「整然と進行するものだ」と感じた。緊張感はあったものの、よどみなく議事や質問が進んでいった。本日、千代田区の本社で行われている「セブン&アイHDGS」の場合などは、もっと激しいやり取りがあるのだろう。ローソンが特殊なのかどうかは、たった一度の臨席ではわからないかもしれない。

 

2 議題採決をする前に、「株主からの質問」の時間が設けられていた。「質問はひとり一回で、ひとつだけ簡潔にお願いします」と、壇上のスクリーン画面に注意書きがしてあった。昨日は、6人の株主が挙手をして質問をしていた。ご本人の名前や所属などは、むしろ発言禁止事項である。

 

3 最初の質問は、「神奈川のコンビニオーナーですが、、、」で始まった(2人の店主さんが、マイクに向かって話していた)。このような措置は、プライバシーの問題があるからなのだろう。わたしにも、400番台の連番が付与されていた。質問しようと思えばできただろうが、もちろん差しさわりがあると思い遠慮することにした。

 

4 質問の内容を箇条書きにする。

① 2025年(ローソン創業50周年)に向けての取り組みは?

② ダイバーシティの取り組み(LGBT)で、郊外店に中間性用(男子で女子)のトイレを設置しては?

③ コンビニ弁当の添加物使用に関して、長期的に健康によろしくないのでは?

④ 株式分割の可能性はないのか?(NTTの25分割を例にして)

⑤ 店舗数が減少していることについて質問(現在の業績には高い評価)

⑥ 海外戦略(中国中心の出店だが、インド、米国などへの出店の可能性について)

 

5 質問の半分は、竹増社長が答えていた。残りの半分は、執行役員に答えてもらう場面があった。

 株主からの質問で、竹増社長の対応について感心した。それは、株主からの質問について、質問後に正確に発言内容を要約し、復唱していたことである。というのは、その後に回答者として指名された執行役員が、質問の内容を理解でき、しかも考える時間を確保するためだとわたしは推測した。

 一般的に、議長役の社長が、このように対応するものなのだろか?最初は、「まだらっこしいことをするものだ」と怪訝に思ったが、よくよく考えてみると立派な対応だった。

 

 事前の調整がないことに、ちょっと驚いた。質問者と質問内容は、会社が事前に把握しているものと思っていたからだ。地方自治体や政府機関が主宰するセミナーなどで、質問事項を事前に集めておくのが普通だからである。わたし自身が司会や講演で何度もそれを経験している。

 事前の調整がない状態で、質問に見事に対応できるローソンの役員さんたちの能力はすばらしいと思った。

 以上。