2013年3月13日に、野田佳彦元首相(当時、民主党)を称えるブログを書いた。「谷深ければ、山もまた高し」というタイトルだった。解散後に民主党から政権を奪取して、自民党総裁の安倍晋三氏が首相に返り咲いた。わたしは、「安倍さんのように、野田さんもいつか首相に戻ることがあるのでは」と予言をした(谷深ければ、山もまた高し: 株高、最大の功労者は、民主党の野田前首相だろう | 小川先生 ~ 小川孔輔のウェブサイト (kosuke-ogawa.com))。
なぜなら、野田さんこそ、もっともまともな民主党議員だと思ったからだ。本日、安倍元総理の議会での追悼演説は、野田さんに託された。この人選はまったくもって的確な判断だった。誰が決めたのだろう。
さきほどまで、野田元総理の追悼演説を聞いていた。心温まる元政敵からの追悼の言葉に胸を打たれた。それだけでない。感動を呼び起こしたのは、野田さんの議員たちに向けてのメッセージだろう。「民主主義を守るため、暴力に屈せず、この国のために働こう」という最後の演説は迫力があった。
主義主張や所属する政党を超えて、民衆のために考えて動く。9年前にわたしが思ったことは正しかった。野党に復活のチャンスがあれば、再び野田首相の誕生を祈りたい。また、安倍首相の盟友だった菅元首相の再起も、いつか叶うことを願いたい。
この国には、いまだ党派を超えて、まっとうな政治家がいることが確信できた。野田さんの素晴らしい追悼演説と菅さんの友人としての弔辞をもって、安倍元首相の功績は永遠のものとなった。
とりわけ野田さんの追悼演説については、政経塾を設立して多くの政治家を国政の場に送り届けた松下幸之助翁が、もっとも喜んでいるのではないだろうか。