生命科学部の津田教授を、富山わさびプロジェクトの顧問役に

 午後の北陸新幹線はくたか号で、法政大学の津田新哉教授を糸魚川市のSKファームに案内する。わさびの温室栽培事業で成功している澁谷社長だが、開業以来、うどん粉病など病害虫対策では困っている。地下水をくみ上げているおかげで、室内は年間を通して14℃。わさびにとって良好な室温は、病害虫や菌類にとっても快適な環境になる。

 

 病虫害に種々の対策を講じているようだが、どれも決定打にはなっていない。予防のために農薬を散布しているとのこと。将来的に欧米へわさびを輸出することを考えると、お茶など(ほとんどが有機認証品)と同様に、国内のわさび栽培でも有機認証がほしくなる。そのためには、農薬の散布を極力抑制しないといけなくなる。

 幸いなことに、わたしも出資している「シェアガーデン」(千葉県八街市)の武内智社長が農水省に掛け合ってくれている。実現はしていないようだが、わさびを有機認証する努力をしてくださった。その大前提は、わさびの栽培に農薬を使用しないことである。津田教授への依頼は、現場の施設と栽培方法をご覧いただき、有効な対策のヒントをいただくことだと考えている。

 お昼ごろに、津田教授と東京駅で待ち合わせている。北陸新幹線の中で、これまでの経緯を説明するつもりでいる。良い予防対策など見つかるとよろしいのだが。

 

 生命科学部の植物科学科(当初は、専修コースでスタート)の開設では、東大農学部の難波教授(植物病理研究室)に助けていただいた。当初は、カリフォルニアのUCデイビスやコーネル大学にある「植物病院」を併設することを狙っていた。

 植物病院に当たる温室は実現はできのだが、学科名は「植物医科学科」にはならなかった。津田教授の前任者である西尾健教授を農水省から招聘するなど、植物科学科は新設学科としては成功している。

 わさびの栽培で、西尾先生の後任に当たる津田教授をこのプロジェクトの顧問にお迎えできることは、何かのご縁を感じる。現在の植物科学科の様子など、新幹線の中で詳しくお話を伺いたいと思っている。

 

 なお、今回も糸魚川駅前のジオパークホテルに一泊する。現地では、富山のわさび栽培プロジェクトの進展を、澁谷社長と議論することになっている。農水省からの補助金やわさび栽培者の募集について、新たな展開があると聞いている。いつも電話での会話になるが、本日は対面で話をすることができる。

 津田教授も一緒に議論に加わっていただく予定だ。富山わさびプロジェクトに、また新しいメンバーが加わることになりそうだ。