名古屋地区にお住まいの方に、質問である。中京地区で、ひつまぶしと言えば、必ずしも、うなぎの蒲焼きに限らない?最初は、そのまま食べて、ニ杯目は山椒をまぶして、最後はお茶漬けにして。
今週の月曜日、名古屋駅前のミッドタウンの和食レストランで、「ひつまぶし」を頼んだ。3回おかわりをする、うなぎ膳を注文したつもりだった。
ところが、目の前に現れたのは、海鮮丼だった。たしかに、まぶしてはある。海鮮ひつまぶし。そんなものがあったのだ。
店の給仕の男性に尋ねると、「一般に、お櫃の中でご飯に何かをまぶしてあるカテゴリー」の商品を「ひつまぶし」と呼ぶそうで、必ずしもまぶしてある何かが「うなぎ」とは限らない。納得はしたが、うなぎが食べたくて注文したので、なんともがっかりな気持ちでリッチモンドホテルに戻った。寝付きが悪かった。
金曜日に、わたしが志村さんにうなぎをご馳走することになっていた。静岡で講演をご一緒するついでである。それが昨日だった。あなごや本店の「大井川共水」のうなぎ丼である。ご主人の蘊蓄(大井川共水うなぎの育て方)を聞いて、おいしくうなぎを食したので、月曜日の不満は解消された。
しかし、並盛りで一人前が3500円。夕方からでまだ講演前だから、アルコールはなしだった。もし日本酒と1品を頼むと、一人前7~8千円にはなる。おいしいのだが、この値段だ。去年、うなぎの稚魚が2~3倍に価格上昇。うなぎの卸値が、キロ4000円だそうだ。大井川共水うなぎだと、キロ6000円だから、並のうなぎ丼が、3500~4000円になる。「ちょっと気張って、お昼に、おいしいうなぎでも」とは、もはやいかない。このままだと、日本からうなぎが消えてしまいそうだ。今年に入って、うなぎは二回目。夏は一度も食べなかった。わたしが行かないくらいなのだから、都内のうなぎやは、閑古鳥が泣いているんだろうな。
これはもう、稚魚をなんらかの新しい技術で養殖しないと、うなぎが絶滅してしまう。深海にいて、生態がいまいちわからない。とあるが、それどころではない。いつまでも、うなぎの蒲焼き、ひつまぶしが食べられますように!あーめん