2017年に、ビル・ジョージ著『True North:リーダーたちの羅針盤』(生鮮性出版)を翻訳した。林麻矢さんとの共同作業で、5年で3刷りである。売れ行きは好評である。そこに、連休中に降って沸いたように、新しい翻訳の仕事が飛び込んできた。出版社は、翻訳書も手がけたことがあるビジネス書のダイヤモンド社。依頼主は、友人の千田直哉さん(ダイヤモンド・リテイルメディア)。
どうやら、今回はデジタルでの出版になるらしい。これも初めての経験になる。
翻訳の仕事は、わたしが訳したい本を探してきて、出版社に持ち込むのがいつものパターンである。自分はプロの翻訳者ではないから、滅多に翻訳の依頼が来ることなどはない。いや、これまではなかった。依頼翻訳は、今回が初めてのケースになる。しかも、この本は手がけてみたい書籍だった。著者は、創業期にホームデポの成長を牽引したジム・イングリス氏。原書のタイトルは、’Breaking-Through Retailing: Bleeding Orange Culture Can Change Everything’。
著者は、ホームデポで1984年から13年間、同社の経営に携わった。その後、会社を離れて世界中の小売業でコンサルタントを経験。欧州や南米のホームセンターなどを支援してから、日本でも新潟のコメリでアドバイザーを務めている。なかなかの「カウボーイ」である。内容はおいて、文体が米軍の司令官のように「マッチョ」である。
だからこそ、米国の小売業で成功したのだろうと思う。それでも、原理原則に極めて忠実である。おそらくホームデポの三人の創業者の下で働いた経験から、世界中のHCなどの小売業の未来を透視する能力があるひとなのだろう。
翻訳作業はすでに先週から始まっている。いま全400頁のうち、今夕までで335頁まで読み終えている。あと65頁を残すのみ。個人的に伝記本や社史は好きだが、この本は、小売業の実務家の知恵が詰まっていて興味深い。とても勉強になる。本日中に読み終えることになると思う。
明日の夕方までに、簡単な紹介文(書評)をブログにアップしたいと思っている。それにしても、英語を読むスピードが遅くなっている。退職後は、授業で英語のテキストや記事を読まなくなったからだろう。昔のペースを取り戻すまで1週間はかかりそうだ。
マラソンと同じで、休んでしまうと元に戻るまで時間がかかりそうだ。