東京マラソン2021は、まるで障害物競走だ

 昨夜遅くに、PCR検査の結果が来たらしい。朝起きて、検査結果が「陰性」だったことを確認した。これで大会への出場が確定した。出場までたどり着けて、やれやれである。10月の大会延期からここまでも大変だった。さらに2月18日まで、東京マラソンが開催されるかを危ぶんだ方も多かったのではないだろうか?

 

 わたしもその一人である。友人たちの中には、体調不良で途中で出走をあきらめたランナーもいる。おそらくは、老人ランナーへの出走自粛依頼や、手続きがあまりにも面倒臭くて、来年開催の東京2023へ振り替えた人もいるのではないだろうか?

 そうなのだ。東京マラソン2021は、まるで障害物競走の様相を呈している。ご存じない方のために、わたしたちランナーが、大会前日まで、どのように準備を進めてきたのかを紹介してみたい。

 まずは障害物競走の第1幕である。ここまでもなかなかタフなハードルでだった。ランニングをしているのか、面倒な「買い物競争」をしているのかわからなくなる。「東京マラソン2021に参加します!」と意思表示してからのことである。第一幕では、つぎのような障害物があった。

 

第1障害物:毎日の検温(10日間)

 2月24日から、評価があまり高くないアプリ(GLOBAL SATETY)をダウンロードさせられた。毎日、このソフトに体温と体調を記録してきた。そのデータは、東京ビッグサイトのエントリーブースで必要だった。明日は、都庁前の入場ゲートで提示することなっている。マラソンを走るため、スマホを携帯することが必須になる。後で述べるが、スタート時点での「荷物預り」がなくなったので、スマホを走路上で携帯して走るしかない。

 

第2障害物:PCR検査

 コロナ陰性であることを事前に確認するため、PCR検査が義務づけられた。当初はワクチン2回接種の証明書でよかったのが、全員PCR検査になった。しかも有料である。ゼッケンピックアップの当日(わたしの場合は昨日)に、自宅で唾液を採取してビッグサイトの会場に出かけた。大会前日(3月5日)まで準備が相当に面倒だった。しかし、ここまでは前哨戦である。

 東京マラソンや大阪マラソンのような、大規模な市民マラソンに参加したことがない人はご存じないだろう。普段でも、フルマラソンを走る前は準備が大変である。その上で、感染症対策を厳密に実施しようとするなると、さらに面倒が重なる。大変さは経験してみないとわからない。マラソンを走ること以外に、ランナーたちは別の苦難に遭遇する。 

 

第3障害物:荷物の預かり(事前発送)

 コロナ対策で、今回はスタート地点での荷物預りがなくなった。3年前(2019年)までは、都庁前のスタート地点で、自身のゼッケン番号ごとに、ガルウイング車に着衣を入れたプラスティックバッグを放り投げていた。スタート時点で預けた荷物は、皇居前のゴール後にその場所でピックアップしていた。

 ところが、着衣を入れた荷物は一週間前(3月1日必着)までに、ヤマト便でゴール前に送り届けることなっている。これが有料である。わたしの元ゼミ生のように、荷物を預けないで走り切るつもりのランナーもいる。着衣などをリュックに入れて、42KMを走るつもりのようなのだ。

 

第4障害物:スマホなど自己管理グッズの携帯
 今回は、整列ブロック(わたしは第2ウエーブでGブロック)に入るとき、スマホが必須になる。PCR陰性と体温の測定結果を示すことが義務付けられているからだ。また、沿道での応援が禁止されているから、知り合いから栄養補給の手渡しなどが期待できない。どちらにしても、何らかの方法でランニング用の小物類を自己管理するしかない。

 具体的には、栄養補給用のジェル(<250ML)や大腿筋の痙攣予防材(コムレケア)、エアサロンパス(<120ML)を携帯するつもりである。そのために、小型のリュックを背負うことになる。その中に、小物類を詰め込むことにした。

 

 そんなわけで、すでに着替えを送ってあるゴール地点を目指して、携帯電話と小物類が詰まったリュックを背負って走ることになる。こんなことになるとは、夢にも思っていなかった。明日は、大変な障害物競争を走る感じになっている。天候に恵まれそうなのが、唯一の救いである。