植物の販売が絶好調:GreenSnap STORE(売上)が対前期比+670%

 コロナ禍で植物の販売が好調なことは、皆さんよくご存じの通りである。恩恵を特に厚く受けているのが、オンラインストアだ。トップランナーの一社、植物交流サイトのGreennSnapから、先ほどメルマガが届いた。植物の売上が好調のようで、対前年比で6.7倍らしい。

 

 ECサイト(GreenSnap STORE)の売上が、対前年同期比で670%(2021年4月~11月)。分母はわからないが、事業的には大飛躍と言えるだろう。リリース記事によると、「コロナ禍によるおうち時間の増加に伴い、植物の需要も増加したことを受け、オンラインショップでの取扱商品数を増加したことや、GreenSnapオリジナル商品の開発などが好調の要因となっています」となっている。

 「プレスリリース」は、<https://greensnap.jp/company/news/release/gss_2021

 一般人が植物を育てるときの最大の課題は、「枯らさないかどうかが不安なこと」である。花屋や植物のある暮らしにとってのボトルネックが、育て方の知識の欠如である。2020年4月からスタートだから、初年度は認知度も低く、ほとんど売れていなかったのかもしれない。

 EC販売事業が好調な要因としては、同社は3つの点をあげていた。基本ニーズは、コロナによる在宅時間の増加による植物需要であるが、企業努力と新しいサービスや商品の開発によるものだろう。以下は、GreenSnapから届いた、メルマガからの引用になる。 

 参考まで、売上の急増について、3つの理由を挙げている。
 
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<1.生産者や市場との提携による直送商品>
 ラインナップの中でも人気の高い生産者直送の商品は、購入者が鮮度の高い状態で商品を受け取ることができ、また、生産者の「顔」や「こだわり」が直接見える購入体験が出来ると好評を博し、現在は全国各地の18の生産者と契約しています。
 また、愛知県「愛知豊明花き市場」や各地の生産者との提携により、GreenSnap STOREでの取扱商品数は1165種類(2021年11月末時点)にまで増加しており、今後ますます提携先との取り組みを強化してまいります。
 
<2.GreenSnapオリジナル商品の開発>
 2021年は初めてGreenSnapオリジナル商品を開発し、園芸初心者向けに手軽に生活に取り入れていただける2商品をリリースいたしました。1つは、土を使わずスポンジで育てる観葉植物「Table Plants(テーブルプランツ)」で、2021年9月に発売し約2ヵ月半で累計販売数が1,000個を突破いたしました。もう1つは、サステナブルな鉢カバー「Re:af(リーフ)」で、部屋のインテリアに馴染むデザインと地球に優しいリサイクル素材使用などの特徴から人気を得ています。どちらも、いままであまり無かった「園芸初心者向け植物」という新しいニーズを捉えたヒット商品となっています。
 
<3.購入前後の「育て方サポート」>
 市場のスタッフや生産者など、植物のプロが育て方についての相談をお受けする「育て方サポート」サービスを提供し、購入前の不安や、購入後うまく育たないときのお悩みを解決するお手伝いをしています。植物は、地域や気候などの環境によって同じ植物でも適した育て方が違う場合があり、自身で調べるだけでは解決が難しいことも多く、専門家の意見を聞けるこのサービスはリピーターが多いことも特徴です。

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 <解説>

1. 商品)豊富な品揃えを実現できたのは、産地(生産者)と市場(豊明花き)からの供給力による。1000種類はたしかにある閾値を超えている。どこにでもあるつまらない商品だと、特に利用する理由はない。そのあたりのホームセンターに行けば、商品は入手可能だからだ。 

2.(ターゲット)園芸初心者に的を絞っていること。彼らの最大のニーズは、環境配慮(リサイクル素材)とインテリアニーズ(鉢カバー)である。そもそもプロを相手にすると、供給が面倒になる。アマチュアならば、商品提供がシンプルになる。

3.(サポート)育て方の支援サービスがついていること。初心者のもっとも大きな懸念材料は、育て方がわからないである。そこをサービス化している。

 

 一見してどこにでもあるそうなサービスではある。それでも大きく成功しているのは、交流サイトとしてのGreenSnapの強みからであろう。「投稿」「検索」「Q&A」「解決」の流れには、初心者とはいえサイトで慣れ親しんでいる。そこへ、商品提供と支援サービスを補完する形で提供している。

 リリースから結構な時間(5年?)が経過しているが、ようやくビジネスとして成り立ちそうになっている。GreenSnapはこれまでは「広告モデル」だった。以降は、「販売モデル」に転換できるだろうか?