本日、JCSI本の刊行を記念して、ウエブセミナーが実施される。わたしは、最初で本書刊行の経緯と意図を10分ほどで話すことになっている。小野さんの理論編に続いて、事例編は「スカイマーク」にお願いしている。視聴は有料です。
わたしの説明は、以下の通りを予定している。
スライド5枚程度で、
1 本の完成するまでの経緯
2 内容の概要:
「サービスエクセレンス」の序章の内容
<本の完成するまでの経緯>
●JCSI開発の狙い:JCSIの仕組みを経営に取り入れることで、
各社が効率の良い優れたサービスを提供できるようになることを
データ分析と戦略立案の側面から支援すること。
そのJCSIデータの利活用と普及が本書の目的。
●JCSI開発の経緯
2006年当時(第一次安倍内閣の時代)、国際的に生産性の改善が
遅れているサービス業に焦点を当て、サービス業の生産性を高めるため
のプロジェクトがスタートした。(SPRING)
SPRINGのサブプロジェクトの一つが、サービス業の生産性向上を促すための
科学的指標づくり(日本版顧客満足度指数(JCSI)の開発)プロジェクトだった。
本書の共著者たちを中心に、3年間の開発期間を経て、JCSIの測定システムを完成させた。
筆者らが2007年頃から取り組み始めたCS経営の仕組みづくりは、JCSI等の大規模な
調査データを前提にしている。データは、経営の羅針盤である。データを元に
CSの基礎的な指標をデータとして把握して、現場のオペレーションまでを含めた
マーケティング戦略立案に利用することを目指した。
●当初の企画案と改訂
企画当初の構成案では、第1部を定期健康診断、第2部を問診力(精密検査)、
第3部を推進力(治療)とする枠組みを構想していた。
しかし、実際の執筆が進んでいく段階で、健康診断と治療のアナロジーは
いったん捨てることにした。執筆された原稿の内容が、
健康診断の比喩とややそぐわなくなってきたから。
●隠れた本書の狙い
(1)日本のサービス業の実像を、読者に正しく伝えること
(2)サービス業の競争戦略と顧客らの反応がこの間(2009〜2020年)、
業界を超えてどのように変化してきたのかを知ることができること
(3)日本のサービス業について、通説を覆すような事実や発見を
随所に盛り込んでいること
<内容の概要>
●第1部 CSIのコンセプトと方法論
JCSI(日本版顧客満足度指数)の基本的な考え方と方法論を紹介する。
●第2部 顧客満足—利益連鎖の診断」
CSI(主要6指標)を用いて診断を行う(経験則の発見、バラツキの分析)、
SQI(サービス品質指標)を用いて診断を行う(持続的な改善、戦略的な投資決定)
顧客データから戦略ロジックを練る(価値創造による顧客基盤の維持)
●第3部 CX戦略の組織的推進
著者の実践的なコンサルティング経験を踏まえて、顧客中心主義の
経営を遂行するための組織的な対応を議論する