2021年度の「マーケティング論」のシラバスをアップします。暫定版です。昨年度は、ほぼリモートで実施しましたが、今年度は対面で授業を行います。ご注意ください。最初の授業(4月8日)が、特任講師(TA)の花畑さんの都合で、学年歴から1週間遅れて4月15日のスタートになります。
今年度の授業では、4人の講師の方をお招きする予定です(3月 日のブログ記事で既報)。それ以外にも、「ハイファイブ・サラダ」の水野裕嗣社長に、テーマ討議のための「ミニ事例」を講義していただきます(4月 日を予定)。「ユーロモニター」(グローバル経済経営情報)のデータベースにアクセスしての実習もあります。
小川が連載しているシリーズ「農と食のイノベーション」(『食品商業』など)から、個別企業の事例集を紹介します。隔週のペースで、いま目の前で進行している農業と食品産業の先端事例を題材に紹介しながら、皆さんに個人レポートを提出してもらいます。
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IM研究科・2021年春学期「マーケティング論」 2021年4月15日
(V2: 20210330)
Ⅰ 授業と事前アナウンスメント
1 授業の基本方針
IM研究科の大学院生のために、
(1) マーケティングの基本的な概念と枠組みを講義する。
それだけではなく、基礎概念の応用力を高めるために、
(2) 「事例に基づくクラス討議」(「テーマ討議(1)~(4)」)
(3) 「基礎文献の解説」(資料はデジタル配布)、
(4) 「課題事例の個人レポート」(3本)
(5) 「外部講師による講演と討議」(4本)
を準備することにした。
2 授業運営の仕組み
(1)「通常のレクチャー」:
・14回分の<基礎講義>が準備されている。基礎概念を、講義1~講義14で学ぶ。
・それに加えて、特論1~特論2が用意されている。また、
(2)「事例に基づくクラス討議とリサーチ」:
・4つのテーマに関して、クラス討議を行う(4~5チームの編成)。
・テーマ事例について、テーマ討議(1)~(4)とする。
・テーマ討議1 「人はなぜ水族館に行くのか?」(GRP編成A)
・テーマ討議2 「フードエンターテインメント事業の可能性」(GRP編成A)
・テーマ討議3 「アジアNO.1のサラダカンパニーになるには?」(GRP編成B)
・テーマ討議4 「アジア事業プロジェクト」(GRP編成C)
(3)「必読文献の解説」
・ 各講義について、講義テーマに関連した<必読文献>を指定して配布する。
・ 事前に、参考文献・討議資料、必読資料を配布する(電子的に配布)。
(4)「個人課題レポート」
・3つの事例については資料を配布する。解説した3週間後に、
短いレポートを提出すること。A4で1~2枚の長さ(最大3枚)。
(5)「外部講師による講演と討議」
・4人の外部講師にレクチャーをお願いする(対面を予定)。
・今進行中の”生きた事例”による討議を行いたい(グループ討議)。
・「ミニ事例」を小川が講義する(一部は個人レポートの題材になる)
『食品商業』に連載してきた「食と農のイノベーション」の事例から選択
3 テキスト・参考図書
全体のテキストは、小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞出版社。
各章ごとに、以下の参考図書を使用する。教科書のデータは古くなっているので、データ事例は、パワーポイントで補足してある。
<テキスト>
(1)小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社(講義#と章が対応)
(2)嶋口充輝他編(1998~1999)『マーケティング革新の時代(1)~(4)』有斐閣
(3)和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦(2016)『第5版 マーケティング戦略』有斐閣
<参考図書>
(1)小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館
(2)小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫(電子版)
(3)小川孔輔(2014)『CSは女子力が決める!』生産性出版
(4)小川孔輔(2015)『マクドナルド 失敗の本質』東洋経済新報社
(5)小川孔輔(2019)『「値づけ」の思考法』日本実業出版社
(6)岩崎達也・小川孔輔編著(2017)『メディアの循環』生産性出版
(7)小野譲司・小川孔輔編著(2021)『サービスエクセレンス』生産性出版
(8)V・ランガン(小川浩孝訳・小川孔輔監訳)(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社
(9)J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
(10)岩崎達也・高田朝子(2021)『本気で地域を変える』晃洋書房
(11)D・モントゴメリー(片岡夏実訳)(2018)『土・牛・微生物:文明の衰退を食い止める土の話』築地書館
(12)三谷宏治(2014)『ビジネスモデル全史』ディスカバー21
(13)網倉久永・新宅純二郎(2011)『経営戦略入門』日本経済新聞出版社
(14)M.R.ソロモン(松井剛、監訳)(2015)『消費者行動論(上・中・下)』丸善出版
(15)梅澤伸嘉(2016)『「梅澤式」だと、なぜ超ヒット商品がこんなに作れるのか』1万年堂出版
(16)M・ポーラン(2015)『これ、食べていいの?』河出書房新社
(17)H・サイモン(上田隆穂訳)(2016)『価格の掟(おきて)』中央経済社
(18)西川英彦・澁谷覚編著(2019)『1からのデジタル・マーケティング』碩学舎
(19)P・コトラー他(2017)『コトラーのマーケティング4.0』朝日新聞出版
(20)小野譲司(2010)『顧客満足の知識』日経文庫
<実務家の書籍>
(1)柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
(2)浅利慶太(2013)『劇団四季メソッド『美しい日本語の話し方」』文藝春秋
(3)福島徹(2014)『福島屋:毎日通いたくなるスーパーの秘密』日本実業出版社
(4)茂木友三郎(2013)『国境は越えるためにある』日本経済新聞出版社
(5)久松央達(2013)『キレイゴト抜きの農業論』新潮新書
(6)松尾雅彦(2014)『スマート・テロワール』学芸社
(7)辻中俊樹(2014)『マーケティングの嘘』新潮新書
(8)鳥越淳司(2015)『「ザクとうふ」の哲学』PHP研究所
(9)石井良明(2016)『成城石井の創業』日本経済新聞出版社
(10)鳥井信吾(2018)「私の見た鳥井信治郎の経営と生き方」(川北・奥野編著『一流の経営者は、何をどう考え、どう行動し、いかにして人を惹き付けるのか』ダイヤモンド社)
(11)嶋浩一郎・松井剛(2017)『欲望する「ことば」』集英社新書
4 成績評価:
以下をほぼ同等に案分して成績を評価する
・授業内の発表・出席(報告、討議への参加発言)
・ グループレポート(発表、コメント)
・ 個人レポート(課題1~3)
Ⅱ 授業運営スケジュール
1-1 4月15日(1時限) はじめに(自己紹介+授業進行説明)
<配布資料> 「わたしの研究活動・社会活動」(2021年版)
1-2 4月15日(2時限) 「講義1:マーケティングの基礎概念」(*第1、3章)
<必読文献> 嶋口充輝(2004)「序章 仕組み革新の時代」嶋口充輝他編
『仕組み革新の時代-新しいマーケティング・パラダイムを求めて-』有斐閣
<必読文献> T.レビット(2001)「マーケティング近視眼」
『(ダイヤモンド)Harvard Business Review』(2006年11月号)
2-1 4月22日(1時限) 「特別講義1:なぜ人は水族館に行くのか?」
特別講師1: 原澤恵太氏(平成帝京大学講師、水族館研究家)
2-2 4月22日(2時限目) <グループ討議1:水族館リサーチ>
3-1 5月6日(1時限) 「講義2:マーケティングの歴史」(*第2章)
<必読文献> R.S.テドロー・近藤文男監訳(1993)「第1章 消費の時代 ―
アメリカにおけるマス・マーケットの形成」『マス・マーケティング史』ミネルヴァ書房
<必読文献> 小川孔輔(2013)「石井教授の“マーケティングの知3.0“を妄想する」
『季刊マーケティングジャーナル』129号
3-2 5月6日(2時限) 「講義3:マーケティング戦略の構築」(*第3、6章)
<必読文献> 網倉久永・新宅純二郎(2011)「第1、2章」
『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』日本経済新聞出版社
4-1 5月13日(1時限) 「講義5:消費者行動と顧客の分析」(*第5章)
<参考図書> M.R.ソロモン(松井監訳)(2015)『消費者行動論(上中下)』丸善
4-2 5月13日(2時限) 「特別講義2:コラボカフェの事業モデル」
特別講師2: 谷丈太朗氏(レッグス上席執行役員)
<参考資料> 小川孔輔(2019、2020)「“フードエンターテインメント”という新しい
業態の誕生(上)(下)」『食品商業』(2019年12月号、2020年1月号)
5-1 5月20日(1時限) 「講義4:マクロ環境の分析」(*第4章)
<参考文献> 辻中俊樹(2014)『マーケティングの嘘』新潮新書
5-2 5月20日(2時限) 「テーマ討議4:アジア事業プロジェクト」(チーム編成C)
(演習)特別講師2: ユーロモニター/講師未定(*PC持参)
「特別講義2(実習):アジア・データベース検索(説明)」
*図書館データベースからアクセスします。事前にアクセス可能か確認のこと。
<参考図書> J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)
『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
茂木友三郎(2013)『国境は越えるためにある』日本経済新聞出版社
6-1 5月27日(1時限)「講義6:マーケティング・リサーチ(1)」(*第6章)
「講義7:マーケティング・リサーチ(2)」(*第7章)
<必読文献> 梅沢伸嘉(マーケティングコンセプトハウス)(2005)
「第1章、第2章」『グループダイナミックインタビュー』同文舘出版
<参考図書> 梅澤伸嘉(2016)『「梅澤式」だと、なぜ超ヒット商品がこんなに
作れるのか』1万年堂出版
6-2 5月27日(2時限) 「テーマ討議1:水族館リサーチ」
*グループ発表(グループA編成)
7-1 6月3日(1時限) 「特論1:ブランド戦略」(*第16、18章)
<必読文献> 鳥井信吾(2018)「私の見た鳥井信治郎の経営と生き方」
(川北・奥野編著『一流の経営者は、何をどう考え、どう行動し、
いかにして人を惹き付けるのか』ダイヤモンド社)
<参考図書> 小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫
7-2 6月3日(2時限) 「講義8:新製品の普及と予測」(*第8章)
<必読文献> 松井剛(2013)『ことばとマーケティング』碩学舎
<参考図書> 岩崎達也・小川孔輔編著(2017)『メディア循環』生産性出版
*小川孔輔(2019)「ハイファイブサラダ」 テーマ討議のためのミニ講義
8-1 6月10日(1時限) 「講義9:製品開発のプロセス」(*第9章)
<必読文献> 野中郁次郎・竹内弘高(1999)「ラグビー方式による新製品開発競争」
嶋口充輝他編『マーケティング革新の時代2 製品開発革新』有斐閣
<参考図書> 鳥越淳司(2015)『「ザクとうふ」の哲学』PHP研究所
* 個人課題1 成熟市場での事業革新(ザクとうふの事例)
8-2 6月10日(2時限) 「中小企業のブランディングとDX戦略(仮)」
特別講師3: 藤原雅志氏(ハクサンホールディングス取締役)
<参考図書> 西川英彦他編著(2019)『1からのデジタル・マーケティング』碩学舎
9-1 6月17日 「特論2:サービス・マーケティング」(*第17章)
<必読文献> 小野譲司(2010)「第1章、第2章」『顧客満足の知識』日経文庫
<必読文献> 南知惠子・小川孔輔(2010)「日本版顧客満足度指数(JCSI)の
モデル開発とその理論的な基礎」『マーケティングジャーナル』117号
<参考図書> 小野譲司・小川孔輔編著(2021)『サービスエクセレンス』
生産性出版
9-2 6月17日(2時限) 「テーマ討議2:コラボカフェのリサーチ」
*グループ発表(グループA編成)
10-1 6月24日(1時限) 「講義10:価格づけの理論」(*第10章)
<必読文献> H・サイモン(上田隆穂訳)(2016)『価格の掟(おきて)』中央経済社
10-2 6月24日(2時限) 「講義11:価格決定の実務」(*第11章)
<参考図書> 小川孔輔(2019)『「値づけ」の思考法』日本実業出版社
11-1 7月1日(1時限)「講義12:広告宣伝活動」(*第12章)
<必読文献> 岩崎達也・小川孔輔(2008)「テレビ番組のプログラム価値マップ
(上)(下)」『日経広告研究所報』2008年8・9月号、10・11月号
<参考図書> 岩崎達也・小川孔輔編著(2017)『メディアの循環』生産性出版
11-2 7月1日(2時限) 特別講義「カルビーのマーケティング」
特別講師4: 伊藤秀二氏(カルビーCEO代表取締役社長)
12-1 7月8日(1時限) 「講義13:セールス・プロモーション」(*第13章)
<必読文献> 小川孔輔・ミラー前野和子・野沢誠治(1999)
「ブランド・エクイティと景品付きセールス・プロモーション—
SPの長期効果についての実証分析」『日経広告研究所報』1999年4月号
12-2 7月8日(2時限) 「講義14:代替的チャネルの選択」(*第14章)
<参考図書> V・ランガン(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社
13-1 7月15日(1時限) 「講義15:小売業の経営と店頭管理」(*第15章)
<参考図書> 小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館
13-2 7月15日(2時限) 「テーマ討議3:アジアNO1のサラダカンパニーになる」
*グループ発表(グループ編成B)
14-1 7月22日 まとめ(*18章)
<必読文献> 小川孔輔(2007)「食のSPF」『チェーンストアエイジ』2月15日号
<参考文献> 小川孔輔(2018)「衣食同罪」『新潮45』5月号
14-2 7月22日(2時限) 「テーマ討議4 アジア事業プロジェクト」
*グループ発表(チーム編成C)
Ⅲ 必読文献一覧
<参考文献・資料>などは、配布、もしくは共有ファイル参照