マジックアワーの写真展

 インスタグラムに投稿している写真の中で皆さんから好評なのは、夕焼けの写真です。ジョギングの途中、江戸川の土手から日常的に落日に合わせてスマホカメラのシャッターを切っています。真っ赤な太陽が地平線の下に隠れた後、残照が漆黒の暗闇に吸い込まれていくほんの一瞬。日の入り前後の30分ほどの時間帯は、「マジックアワー」と呼ばれています。

 

 知らなかったのですが、マジックアワーは写真撮影の用語のようです。入門書には、アマチュアでもキレイに写真が撮れる瞬間と解説がされていました。夕刻だけの現象と思いきや、日の出前後の時間帯もマジックアワーと呼ぶようです。

 しかも、マジックアワーには、ゴールデンアワーとブルーアワーと呼ばれる時間帯が存在しているのだそうです。詳しい解説によると、マジックアワーは太陽の位置が+6度から-6度の角度にある時間帯のことで、日の出や日の入りの前後40分の時間。目安としては日没前(日の出後)のゴールデンアワーが40分、日没後(日の出前)のブルーアワーが40分位となります。

 この時間帯は、光の加減で空の色が柔らかくなります。写真家のかたの解説では、幻想的な写真を撮るのに適しているとのことでした。

 

 Iphoneの機能で、その昔に撮影した写真の中から、AIが推奨する「ステキな写真」が突如ポップアップされてきます。昨日は、彼女が(このAIは女性に決まっています)、一年半ほど前に、ロック・フィールドの静岡ファクトリーで撮った「マジックアワー」の写真を推奨してきました。2019年10月26日に、取材でインタビュー訪問した帰り道、サラダ工場の門をくぐっる帰る直前に遭遇した風景です。

 静岡ファクトリーは、岩田弘三社長(当時)が建築家の安藤忠雄さんに設計を依頼した建物です。第一期工事は1994年の竣工で、第二期工事が2001年でした。環境に配慮したデザインで、工場からの排水を自然ろ過するために、用水路はビオトープになっています。

 いかにも安藤さんのデザインらしく、事務棟へのアプローチが緩やかな曲線を描いているのが特徴です。そこから駐車場を眺めると、遠くに2基の風車を観ることができます。工場で使用する電力の一部は、この風車群から供給されています。一昨年に役割を終えた初代の風車は4基でした。

 わたしが1年半前に、工場のゲート付近から撮影した写真は、ブルーアワーの最後の瞬間を切りとったものでした。

 

 さて、ここまで写真のことを書いてみて、わたしはふだんから、夕焼けとくにマジックアワーの写真をたくさん撮っていることが気が付きました。旅行に行くと、夕方にふらふらと海岸線や田んぼ道、森の際を歩いて夕焼けの写真をたくさん撮っています。

 最も印象深いのは、山形県鶴岡市の老舗旅館「亀や」さんの前から撮影した「日本海のマジックアワー」の写真です。最上階の部屋の中から撮った室内のスツールが、残照の海を背景に輝いて見える一葉の写真がお気に入りで、しばしスマホとPCの背景写真にせってしていました。

 素人なので、まずはありえない話なのですが、夕焼けとマジックアワーの写真を編集してみたいとおもいました。それで「夕暮れの写真」という個展を開いてみたく思いました。自分の旅を跡づけて、過去を振り返ることができるかもしれません。どうでしょうか。

 なお、静岡ファクトリー(3枚)と亀や旅館(2枚)のマジックアワーは、個人のインスタグラムにアップしてあります。関心がある方は、以下をご覧ください。美しい写真です。

 

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