「日本政策金融公庫総合研究所」の藤田さんから、機関誌の『調査月報』(2020年10月号)に寄稿を依頼されていた。半年前に執筆依頼を受諾したことを忘れていた。拙著(2019)『「値づけ」の思考法』(日本実業出版社)で書いた内容で、「最適な価格戦略」がテーマだった。締め切りを10日ほど過ぎたころに提出していた。本日、6ページのゲラが届いた。
「クローズアップ 識者に学ぶ」というコーナーだった。私の方から「効果的なプライシング-事例にみる賢い価格づけの考え方-」という表題に直して、原稿を送ってあった。
少し時間が経過してからゲラが戻ってきた。修正部分はわずか一か所だけで、優秀な編集者を抱えていることがわかる。
内容は、つぎのような感じになっている。来月中旬発行の10月号に掲載のようだ。
<ポイント>
(編集部がまとめてくださったもの)
・企業がしっかり儲(もう)けるには、顧客が納得して買いたくなる「値ごろ感」のある価格を設定することが大切である。
・価格づけには「コスト」「需要」「競争」にもとづく三つの方法がある。それぞれの狙いを理解し、自社に合った方法を採用したい。
・価格の調整後も競争力を維持するには、「製品のマイナーチェンジ」や「商品ラインナップの拡張」など価格以外の要素も合わせて検討するとよい。
・企業がしっかり儲(もう)けるには、顧客が納得して買いたくなる「値ごろ感」のある価格を設定することが大切である。
・価格づけには「コスト」「需要」「競争」にもとづく三つの方法がある。それぞれの狙いを理解し、自社に合った方法を採用したい。
・価格の調整後も競争力を維持するには、「製品のマイナーチェンジ」や「商品ラインナップの拡張」など価格以外の要素も合わせて検討するとよい。
<もくじ>
・利益の95%は価格づけで決まる
・価格づけの理論-三つの方法-
・わかりやすい価格づけ(消費増税対策:2タイプの価格対応)
・ロングセラー商品の価格調整
・ダイナミック・プライシング(変動価格制)
・EDLPと定価販売のメリット
・表示の心理的な効果-「桁数マジック」と「サイズマジック」-
・さまざまな価格づけのバリエーション
・利益の95%は価格づけで決まる
・価格づけの理論-三つの方法-
・わかりやすい価格づけ(消費増税対策:2タイプの価格対応)
・ロングセラー商品の価格調整
・ダイナミック・プライシング(変動価格制)
・EDLPと定価販売のメリット
・表示の心理的な効果-「桁数マジック」と「サイズマジック」-
・さまざまな価格づけのバリエーション
拙著(2019)で書いた内容を、もっとわかりやすく噛みくだいてみた。その後の成果を取り入れている。オンライン雑誌への寄稿文も、一部で取り入れている。
<イントロダクション>だけ紹介しておく。スニークプレビュー。予告編になっている。
<イントロダクション>
企業経営の最大の課題は価格づけだといわれている。なぜなら、利益の95%が価格で決まってしまうからだ(小川、2019a)。ところが実際の経営では、最も重要なはずの価格が経営者の直感で漠然と決められていることが多い。皆さんも、ご自身の会社で価格が何となく決められていると感じることはないだろうか。あるいは、不用意な値引きや思いつきで値上げをして、顧客を失っていることはないだろうか。
企業がしっかり儲(もう)けるには、顧客が納得して買いたくなる価格(値ごろ感)をつくることが大切である。また、最適な価格を実現するためには、コストの削減方法や価格の表示の仕方に工夫を凝らす必要がある。そのためには、価格づけの背後にあるロジックを学ぶ必要がある。
本稿では、さまざまな業界で実践されている絶妙な価格戦略の実例を紹介しながら、十分な利益をあげるために必要な、スマートな「値づけ」の基本と実践法を平易に解説していく。
<イントロダクション>
企業経営の最大の課題は価格づけだといわれている。なぜなら、利益の95%が価格で決まってしまうからだ(小川、2019a)。ところが実際の経営では、最も重要なはずの価格が経営者の直感で漠然と決められていることが多い。皆さんも、ご自身の会社で価格が何となく決められていると感じることはないだろうか。あるいは、不用意な値引きや思いつきで値上げをして、顧客を失っていることはないだろうか。
企業がしっかり儲(もう)けるには、顧客が納得して買いたくなる価格(値ごろ感)をつくることが大切である。また、最適な価格を実現するためには、コストの削減方法や価格の表示の仕方に工夫を凝らす必要がある。そのためには、価格づけの背後にあるロジックを学ぶ必要がある。
本稿では、さまざまな業界で実践されている絶妙な価格戦略の実例を紹介しながら、十分な利益をあげるために必要な、スマートな「値づけ」の基本と実践法を平易に解説していく。
価格づけの理論-三つの方法-