この10年で、ほぼ興味を失ってしまったモノとコト。そして、日本の未来を予見する(パラノイア、第二弾)。

 本日(6月15日)夕方18時から、年一回の学部小川ゼミのOB会が行われる。昨年同様に、会場は飯田橋駅から徒歩1分のところにある「レストラントリノ」。3年前から、OB会は一次会のみにした。その代わりに全体の時間は、長尺で「3時間」を確保してある。

 

 さて、OB会の最初に、いつも挨拶をすることになる。いまその内容を考えていた。

 短くはないスピーチで、最近手掛けている仕事や家族のことを話すことになる。そして、大学のことや友人たちのこと(今年亡くなった人がとても多いこと)、世界の動きを予言するのだが、、、たとえば、ベルリンの壁崩壊(1986年ごろ)や東京大震災(2000年ごろ)など。前者は当たっていたが、後者は不幸にも東日本大震災として予言が当たってしまった。

 さて、今年の話題は、自分が60歳を過ぎてから失った興味ついて話してみたいと思っている。ほとんど、世の中の動きより20年ほど早いので、以下の予言は、10年以内には世の中でふつうになっているだろう。

  

 

 <自分の生活> 

1.20年ほど前から、テレビをほとんど見なくなった。同時に、巨人戦を中心に野球中継(いまは民放では中継がないらしい?)を見ていたが、いまや巨人の主力投手がだれかもわからない。

 → たぶん、世の中からプロ野球観戦という娯楽がなくなるのではないか?そして、テレビが消える日が近いうちに到来するのだろう。新聞は、すでに消えようとしている。

 

2.よほどのことがない限り(外で飲むとき以外は)、夜は10時前には寝てしまう(夜中に2回起きるが、、、)。

 → コンビニや飲食店の24時間営業はいずれなくなるか、店舗は無人化されるようになるだろう。監視カメラとAIの技術が問題を解決する。

 

3.自動車の運転に興味をもてなくなった。もちろん購入したいと思う車もない。

 → 皆が自動車を所有する時代が終わる。すでにはじまっているように、年寄りが75歳くらいで運転免許証を返上することがふつうになりそうだ。自分もあと10年以内には運転する必要性を感じなくなりそうだ。

 

4.海外の学会で発表することがなくなり、英語を話す機会がほとんどなくなった

 (今回は例外的に、5月にオランダでインタビューした。10月に米国のカリフォルニアでインタビューする予定)。

 → 外国語はしゃべれなくとも、自動翻訳機が役割を果たしてくれるのではないか? 中国語の習得で挫折した経験もある。

 

5.豪華なフレンチや立派な料亭での食事はどうでもよくなった。

 → 健康で少量でもいいからクオリティのよい食事が食べたい。逆に、野菜を育てることや料理を作ることに興味を持つようになった。いずれ、わたしたちは「肉」をほとんど食べなくなるだろう。これは、1&2と関連する事項。

 

 以上は、自分の生活の中で起こったことである。これから以降は、世界の変調を予言してみたい。

 

 

 <世の中の変化>

1.天変地異と食糧危機

 気候変動と大災害が日本(と世界)に襲い掛かる。その結果、食糧危機が到来し、代替エネルギー対策が必須になる。農業とエネルギー産業が世の中の中心に躍り出る。食料価格は2倍から3倍に上昇する。エネルギー価格も2~3倍になるだろう。コンビ二のフードロス対策など些末なことである。なにせ食べるものがなくなる可能性があるのだから。

 教訓:食料とエネルギーの自給自足を準備すること!そして、リサイクルビジネスのさらなる隆盛が起こる

 

2.日本は米中の紛争に巻き込まれる

 米国は本気で中国をつぶしにかかっている(皆さん、感じませんか?)。経済的な問題もあるが、より深刻なのは軍事的優位に関する戦いである。この覇権争い(新たな冷戦)は防ぎようがない。日本はどっちつかずというわけにはいかないだろう。

 米国の経済的な属国(植民地)だから、わが国は中国ではなく米国を選ぶことになるはず。朝鮮半島は(北南に関係なく)、まるごと米国に攻撃を受ける可能性もある。日本の一番のリスクはここにある。わが国が頼れる友好国はどこにもない。1と絡めて、ひそかに経済的軍事的に自立する道を模索すべきだ。

 

3.中国(共産党)は困難に直面する

 かつて、中国は人民革命で3つに分裂すると予想したことがある(1990年頃)。1989年の天安門事件のとき、現場に一週間前にいたからだが、その予言は大きく外れた。その後、約30年をかけて中国は大いに経済的に発展した。しかし、いまや中国にとって国際情勢は大きな転換点に来ている。米国の中国への警戒心が最高潮に達しているから。 

 

 

 <結論(パラノイア)>

 世界は平和であることに越したことない。わたしたちは75年間、とても幸運な時間を過ごしてきた。歴史の流れを見れば、これは例外的な時代だったことが後になってわかるだろう。

 わが国にとって平和な時期は、ふたつの観点から終わりを迎えているように思う。

 ①日本の地政学的な位置(韓国が中国やロシアに併合された場合、日本は米国の軍事的な盾:フロントになる)

 ②冷静に周りを眺めたとき、日本は世界に友達が少ない。言葉を変えると、わが国は孤立無援である。

  

 とはいえ、日本以外の国も似たようなものかもしれない。きびしい時代が何年か続くことになりそうだ。

 現役生(若者)もOB(卒業生)も、大変な時代を経験する。個人の生き方も大切だが、この国のことをもっと真剣に考えなければならない。世界の標準からみて、日本国はかなり能天気な部類の民族ではないのか。