ヨーロッパツアー2019:#6 10年ぶりのチェルシーフラワーショー

 ここ数年、日本人のガーデナーがここチェルシーで活躍している。石原さんは、毎年出展してゴールドメダルを獲得している。今年で11回目の受賞になる。地元ではモスマン、苔男と呼ばれているらしい。日本の伝統の苔をデザインに取り入れているからだ。今年は、もう一人が入賞したらしい。
 

 

 ウィキペディアによると、王立園芸協会が主催するこの園芸展は、グレート・スプリング・ショーとしては1862年、ケンジントンのRHSガーデンで開催された。1913年からチェルシーのチェルシー王立病院に会場が移されている。現在では、世界中から見学者が訪れている。
 今回は2回目なのでゆっくり会場を歩くことができた。5日間の開催だが、最初の二日間は園芸協会の会員だけが入場を許される。展示は、室内と室外があるが、今年は快晴で芋の子を洗うような混雑だった。
 午後2時に、正面玄関で9人と待ち合わせる。4時間で充分に会場を回ることができた。

 ガーデンショーといっても、各品目ごとに種苗会社が展示スペースのスポンサーになっている。おそらく日本では、たとえば、カランコエ、プロテア、カラー、デルフィニウムなど、単品でこれだけの品種を一挙に見る場所はないだろう。  来場者の中心は、身なりの良いイギリス人のシニア。ご夫婦や友人たちとゆったりと植物見学を楽しんでいる。球根や苗など、ガーデン素材を買うこともできる。ほとんどは現物ではなく、その場でお金を支払って、後で郵送されるタイプの注文販売。

 

 この場に立っていると、この国がEUから離脱するかどうかの瀬戸際にあることを忘れてしまう。明日、メイ首相が辞任するらしいが、この国の先について、市民は冷めた目で見ている。国の総意がまとまるはずもなく、この国が漂流しているという現実に対して、国民は投げやりな態度になっている。
 市民たちの気持ちは、先のことはわからない。どうにもならない。どうでもよろしい?離脱派が主流であることは、誰かが後ろから世論をコントロールしているのだろう。市民はそれが分かってはいるが、本気で政治的な行動に出る様子もない。あまりにも長い混迷が二年間も続いてきたからだろう。

 一方、世界最大の園芸ショーは盛況である。時間は静かに流れていく。そろそろ集合時間だ。
 日本でこのようなショーを開くことを提案してから5年になる。上田埼玉県知事に具申してから、随分時間が経過した。東京オリンピック、大阪博覧会、そして東京花博?誰かスポンサーになってくれる人はいないものだろうか。