大学院を卒業後、地元の高知に戻って酒づくりをしている川村和宏君から、海外での体験をレポートでいただいた。日本酒を海外で販売して歩いている彼は、今回はオーストラリアに渡ってきたらしい。豪州の農業と食の現場を視察してきたので、そのレポートをわたしに送ってくれた。サンキュー!参考にします。
iPhoneから送信(小川の携帯へ、今朝の8時過ぎ、、、)
おはようございます!連休はレースもご健闘のようでお疲れさまでした。これから暑い時期になりますが、お身体ご自愛ください。
私はこの数日で、バイロンベイ@オーストラリアに行ってきました。主に、有名なオーガニックマーケットと、拡大するクラフトブルワリーの視察のためです。
所感としては、先生が仰る植物の時代が確実に来ていました。何かのご参考にと思い、報告させていただきます。
バイロンベイは、オーストラリア最東端にある人口約5,000人の小さな町です。特色はヒッピーやサーファー、ヨガの文化が根強く、オーガニックフードやクラフトビールなども世界的に有名で、海外からの観光客は150万人を超えています。
とにかく、地元住民(白人9割以上)の地域や食への意識が高く、建物は3階以下、ファーストフード店は出展拒否などで独自の文化と経済圏を持つ町です。
オーガニックマーケットとしては、毎週木曜にファーマーズマーケット(農家の出展50店ほど)、日曜にサンデーマーケット(雑貨も含む出展200店以上)があります。現地の物価は生産者を大切にしていることもあって日本よりやや高く、オーガニックの野菜・果物は日本の地方の市場より1割ほど高い印象です。レストランや住民もマイバックで大量に買い物をされていました。
地元のレストランやカフェは地産地消を基本に、ベジタリアンやビーガン料理も2割を超える様子でした。
一方で、クラフトブルワリーも盛況です。バイロンベイと北部のゴールドコーストで約20軒、さらに北部のブリスベンでは60軒以上が製造販売をしています。
品質は全体的に日本産よりレベルが高く、個性的な味わいの乳酸を入れた酸っぱいビールや、アルコール発酵後半にラズベリーやドラゴンフルーツを入れた果実フレイバービアも人気でした。
また、オーストラリア内で唯一、ブルワリーに勤めている日本人の方と話が出来ました。現在は市場拡大が続いていて、地元ファンも根強いですが、原料の酵母やホップはアメリカ産に依存しているため、今後は現地産に移行していきたい、とのことでした。
オーストラリア自体は、世界の中でのオーガニックのシェアが少ないと思いますが、ここバイロンベイ周辺は独特の文化と地産地消のコミュニティとして興味深いエリアでした。