【柴又日誌】#9:新しい椅子の話

 若い時は、新しい商品を購入することで気分が大いに高揚したものだ。ところが、年齢を経ると買い物自体がなんとなく億劫になっていく。そんな中で30年ぶりに仕事用の椅子を新調した。断捨離のため、新居に移るにあたっては、余計な家具や書棚は極力買わないように努めてきたのだが、その禁止ルールを破ったわけである。

 

 新たに購入したのは、カリモク製の事務用の椅子である。30年前に買った仕事用の椅子も、実はカリモクブランドだった。背もたれがゆったりとしていて、不覚にもしばしばその心地よさに転寝(うたたね)をしてしまうことがあった。東京郊外のニュータウンで、ずいぶんと幸せな時間を過ごしたものだった。

 今度の書斎は、千葉の家の仕事部屋ほど広くはない。ウォークインクローゼットを入れても、6畳の仕事部屋である。そこで、同じカリモク製の事務用椅子でも、よりコンパクトなサイズのものを選んだ。品番は「XS0650 ZK」。値段は、65,000円也。旧商品(書斎用の立派な椅子)と比べて、約半分のお値段である。

 最初は、お台場など都内にあるカリモクのショールームを探し回ったが、適当なスペックの商品が見つからず。最終的には、「ネットで検索」「ネットで決済」で購入した。同じメーカー品を買い求めるのに、つくづくネット購入が便利であることを再確認した。

 ただし、発注から商品が到着するまでのリードタイムがやたらと長い。完全受注商品だったかららしく、そこはやや欠点ではある。もちろん到着までの時間を待つ楽しみもあるにはあるのだが、、、

 

 その椅子が、本日、高砂の自宅に配送されてきた。カリモクの専門配送業者らしく、到着の予定時刻がやや早まった。10時到着の予定が約30分早まって、9時35分には玄関のチャイムがなった。この業者さんは、当初からとても感じがよかった。玄関の外は寒いのだが、丁寧に箱から取り出して組み立てを終えて帰っていった。

 今の業者さんは、配送用の空箱を持ち帰ってくれる。箱の処分をしなくても済むので、これはとても助かる。前日の到着時刻の確認、当日には配送時間が早まることを30分前に、携帯に連絡してくれた。現場での対応も非常に感じがよかった。

 

 さて、いまは高砂の自宅の書斎で、新調した椅子に腰かけてブログを書いている。昨日までは、高さの調整ができない椅子に腰かけて原稿を書いていた。学生の感想文を評価したり、大学院生の卒業研究レポートに赤字やコメントを入れていたのだが、自分の姿勢を調整するので、四苦八苦していた。カリモクの新しい椅子が、課題をクリアしてくれたらしい。

 ひと月ほど前から、実は右肩の奥が凝って痛みを感じていた。原因は、高さの調整ができない椅子に腰かけて、原稿やブログを書いていたからかもしれないと疑っている。どうもそうらしいので、新調した椅子が肩こりの解消に一役買ってくれるかもしれない。

 このブログの最初に、「若いころは、新しい商品を購入することで気分が大いに高揚したものだ」と書いた。それに続く文章には、若干の修正が必要かもしれない。「年を経ると買い物が億劫になるが、それでも新しいもの購入すると決意すれば、新しい経験が生活を便利で楽しいものにすることはまちがいない」。