連休の中日で実施された東日本ハーフマラソンは、気温が32℃。開催場所は、相模原にある米軍デポ。大会会場に到着するころ、ハーフマラソンの前に行われてた5KMレースと10KMレースでは、ランナーがつぎつぎと救護テントに運ばれていた。台風25号の影響によるフェーン現象で、朝方から気温が30度近くに上がり蒸し暑い。長距離を走れるコンディションではない。
嫌な予感がした。ハーフマラソンがスタートする11時に、大会本部から警告のアナウンスがあった。「5KMと10KMのレースで走ったひとで、いま救護テントがいっぱいです。くれぐれも無理をして倒れないように注意してください。すでに救護テントのスペースに余裕がありません」。
ハーフマラソンのスターターも、ほぼ同じような説明をしている。米国人がしばしばこのようなジョークを楽しそうに流すことがある。警告のアナウンスは冗談だろうと思って、ハーフマラソンのスタートラインについた。しかし、11時45分のスタート時刻の前になると、気温がどんどん上がっていった。
スマホでYahoo!の天気情報をチェックすると、すでに町田市の気温は30度を超えている。11時20分時点で、上空にはほとんど雲がない。真っ青な相模原デポ内を三周するコースには、これも木陰になる樹木が植わっていない。とても不安な気持ちになる。
ハーフのスタートは11時45分。引っ越し準備がある上に、京都女子大の授業で毎週、東京と京都を往復している。白井に帰宅する前に、池袋で花恋人さんの取材もあった。疲れ気味である。
それでも最初の1周目は、周囲にランナーに引きずられて1KMのペースが5分15秒。4KMからは少しペースが落ちて、5KM地点の通過タイムは28分ちょっと。この気温では少しスピードが速すぎたかな。そう感じた二周目の6KM地点で、急に足が動かなくなった。7KMを過ぎたところで、完全に足が止まってしまった。
10KMまでは完走をめざして頑張ってはみた。先週の静岡30KMの疲れが残っているところに、この暑さである。ここで無理をして倒れてしまったら、横浜マラソン(42.195KM)が走れなくなる。その瞬間、大会本部のアナウンスが頭をよぎった(苦笑)。あのアナウンスはジョークではなかったのだ。
周囲を見ると、10KMを過ぎたあたりから、歩いてランナーを多数見かけた。ほぼ二周目を終わりかけた12KM地点で、リタイア―を決めた。この先9KMを頑張っても、故障の原因になるだけ。ハーフで2時間を切ることは無理になっていた。そもそも、東日本ハーフは、横浜マラソンの調整レースである。
途中棄権を決めた瞬間に、思い返してみた。最後に、ハーフマラソンを途中棄権したのは、いつのことだろうか。おそらく、15年前の網走ハーフだ。8月1日、北海道の網走市が、観測史上8月で最高気温を記録した日だった。後で振り返ると、あの日のリタイア―も正解だったように思う。
わたしは、長距離ランナーとしてかなりの年齢に達している。無理は禁物。きっと今回の自重も横浜のレースにつながるだろう。あと三週間、明日からは再度の調整ランに励むことにしようと思う。