35度を超える暑さの中、愛用のシューズを買いに浅草に出かけた。お気に入りの店は、フスウントシューカルチャー浅草本店。ドイツのシューズ(ガンター)などを扱っている輸入商社の小売部門である。この店は、都営浅草線・浅草駅A2出口を出て、蔵前駅の方向に5分ほど歩くと、「駒形どせう」の向かい側にある。
この店は、3年ほど前にネットで見つけた。10年ほど前から愛用していたドイツ製のシューズ(ガンター)が、なぜか通販サイトのJALショップで扱わなくなった。代替品を探していたところ、FSC(フスウントシューカルチャー)の浅草本店にたどりついた。それ以来、年に一回は新しいシューズを買いに、浅草本店に出かけている。
品切れを恐れて、それまでに在庫しておいたガンター(JALショップ購入の3足)が使えなくなったので、FSCで買った2足をはきまわしてきた。今回は、その2足に新しいブラウンのタイプを加えようと思い、熱風のなかを訪店した。
来店してさっそく在庫チェックをしてもらう。愛用のモデルが終売になったわけではないが、わたしのサイズ(25CM)の在庫が置いてない。ドイツ人の基準からすると、サイズが25センチ靴はぎりぎりの大きさなのだ。気に入ったモデルは、ほとんどが25センチがない。
店員さんが、ドイツにあるガンターの本社にオンラインで在庫をチェックしてみた。やはり、愛用のモデルで25センチは在庫切れになっている。代わりに提案してくれたのが、同じタイプだが靴先に装飾がついていないモデルだった。表皮の色がブラックではないチョコレート色ならば、25センチがあるという。
愛用している黒のモデルの25.5センチと、装飾なしでチョコレート色の25センチをはき比べてみた。はき心地が微妙にちがう。やはり25センチにすることにした。ブラックもチョコ色も同じ値段で、税込み42000円也。ポイントが2000円ほど貯まっていたので、4万円でチョコレート色のほうを買うことにした。
いつものことで、買った商品を履いて帰ることにした。すると、店員さんが、「古いガンターは、お直しなさいますか?」とたずねてきた。靴底や中敷きなど、ずいぶんと傷んでいる。
愛用しているこのシューズは、履けないことはない。でも、外側も靴の内側にも擦り切れが目立つ。二年前の買値が5万円弱の商品ではあるが、この際は処分してもらおうと思っていた。
ところが、修繕ができるということがわかった。そのタイミングで店内を見渡すと、靴修理用の「補修のための値段表」が壁に張ってあることに気がついた。そうなのだ。ドイツ人らしく、傷んだ靴は修理してくれるのだった。
ネットで調べると、この店(フスウントシューカルチャー浅草本店)の特徴が紹介されている。
「フスウントシューカルチャー浅草本店はリコスタ日本正規輸入代理店バン産商株式会社の直営小売部門旗艦店です。子供靴のリコスタのほか、ドイツコンフォートシューズのガンターやセムラー等ヨーロッパの高級コンフォートシューズを多数取り扱っております。また、併設されたフスフレーゲ(ドイツ式フットケア)サロンでは足の角質除去に加え、タコ・魚の目・巻き爪といった専門的な処置も行っています」(http://ricosta.jp/shop/fsc.html)
わたしたが買い物をしている間に、外反母趾らしきお客さんが、サロンで施術を受けていた。ここは、単に靴を売っているだけではなく、フットケアのお店なのだった。女性陣は、けっこう外反母趾で悩んでいる。わたしも、10年ほど前からガンターを履くようになってから、外反母趾とお別れできた。
それはそうと、使い古したガンターは、靴底をフラットに直してもらい、内側のほつれを修理してもらうと完全に復元できるらしい。中敷きも新しくしてもらって、修理代金は12000円也。5万円のくつを約二年間履いて、元に復元してもらえるのなら、お安いものだ。
修理には3週間ほどかかるらしい。お金を支払う際に、新品の4万円に修理代金12000円を加算してもらった。自宅には、もう一足、古いブラックのガンターがある。3週間後に引き取りに来るとき、二年間使い古したシューズも持参することにしよう。
長く使う習慣は、いいことだ。値段も値段なので、納得のサービスではある。
ちなみに、新しいガンターのチョコレート色は、三週間前、大阪の池田屋で購入したランドセルと同じ色だった。孫のさらのランドセルと、わんすけ先生のガンターが同系のチョコ色になったわけだ。