二回シリーズは「食の製造小売りモデル」。先週号では、「福島屋」(上)を紹介しました。今週は、広島県福山市を本拠とする食品スーパーの「エブリイ」です。あまり知られていないのですが、このスーパーはビジネスモデル上の3つの特長(競争優位性)をもっています。
日経MJ(ヒット塾)の編集部は、そのうちの③「売り切れ御免」と「鮮度」に着目してくれました。タイトルが、それを反映しています。商品の回転率が、鮮度向上に資することはよく知られています。しかし、フードロスを排除するためには、垂直チャネルの統合が必要になります。
エブリイ(食品スーパー)とホーミイダイニング(飲食チェーン)を水平的に結んだ、①多角的な水平統合モデルがそれを可能にしています。食材宅配のヨシケイを傘下に擁して、さらには野菜農場に直接投資することで、①食の製造小売りモデルが完結します。
エブリーイのモデルは、いま苦しんでいるローカルスーパーの模範になれる可能性を秘めています。食品スーパー部門だけで、売上高1000億円を数年以内に達成することができると思います。エブリイ・ホーミイHDG(岡崎ファミリーの経営)としては、どこまで伸びていくのかも楽しみです。
なお、本日は、『朝日新聞 朝刊』の「MONDAY解説:ヤマト、配達の時間指定と料金見直し」欄に、小川のコメントが開催されています。先週、朝日新聞大阪支社の記者からコメントを求められました。もともとは、『プレジデントオンライン』にわたしが書いた文章に注目してくれたからでした。