坂嵜さんが育種したアジサイが、チェルシーフラワーショーでフラワーオブザイヤー2018に選ばれる

 友人の坂嵜潮さんが育成したアジサイ(Hydrangea Runaway Bride)が、先日行われた2018チェルシーフラワーショーの新品種コンテストで、最優秀賞に選ばれました。いわゆる金賞にあたる「Plant of the year 2018」に選ばれわけです。

 

 「先生、一生に一度のチャンスでした。まだ運があるみたいです」(坂嵜さん)。ご本人からは、優勝が決まったとたんに(一昨日)、わたしの携帯に連絡が入りました。とにかくおめでとうございます!
 坂嵜さんは、ここ数年間いろいろと大変なことがありました。それでも、神様は坂嵜さんと日本の育種家に味方しているようです。サントリーを退職してからは、PW(プルーブン・ウイナーズ)などと連携しながら、独立育種を続けられてきました。海外に雄飛した日本人育種家のひとりです。

 

 坂嵜さんから、JFMAの理事のみなさん(事務局の野口弥生さん宛て)に送られたメールは、つぎのように続いていました。ご本人の興奮が伝わってきます。 

 

 「野口さん ・・・

 (前略)ようやく日本の遺伝資源を使って世界に認められる品種を送り出すことが出来ました。

 育種家としては決して満足できる出来ではありません(市場/プロに指摘される欠点が分かっているという意味です)が、それを越えて認めてくれるのはなぜか?6月のセミナーで触れたいと思います。

 一発で終わらないためその欠点を克服する育種を進めています。次の世代はすでにできていますが、なかなかやるなといってもらえると思います。坂嵜 潮」

 

 偉業達成なのですが、育成したアジサイの名前を紹介するのを忘れていました。

 Hydrangea ‘Runaway Bride’。匍匐性のアジサイです。遺伝資源が日本なのが特徴?実は、わたし(たち)は、2月に行われたIPM(ドイツのエッセン)で、この品種を見ていました。断言しますが、わたしはこの花をみたときに、絶対に売れる!と予言しました。証人は坂嵜さんご本人です。

 なお、RHS Chelsea Flower Showの新品種コンテスト(Plant of the year Competition)は、世界でもっとも権威のあるショーの一つです。その最終選考での優勝(Plant of the year)は、育種家としては最高の名誉と言えます。