フェルミ推定遊び(下):「法政水」の販売本数は、年間で5万本です。

 一週間前に出したクイズの答えを発表し忘れていた!すいません。ブログ読者の皆さんからも、翌日から続々と回答が寄せられていました。一番下は、年間1万本から、最高は20万本まで、かなり答えはばらついていました。

 

 途中経過を省略しますが、この件について、注目すべき点を列挙します。

 

 学生たちが使った、本数推定の手がかりは、つぎのようなデータ(値)でした。

 

(1)学生数をベースにした計算

 ・法政大学の学生数(約3万人)と一日の登校者(登校率、50%?)

   つまり、積み上げ方式です。二つのチームがこの方式を採用していました。

 ・登校率:1年から4年にかけて、しだいに学校へ来る率が落ちていくらしい。

   見事な推計のやり方です。

 ・二つを掛け合わせて、それをベースに、100人にひとりが購入するという計算方式です。

   細かな計算は、自分でやってみてください。

 ・大学の夏休みなど、祝祭日・休日も推定のベースに入れていました。

 

(2)自販機からの推計

 ・学内に置いてある自販機を20台として推計したグルーブがいました。

   1スロットが法政水です。年間の稼働率から積み上げていく方式です。

 ・この方式を採用したもうひつとのグループでは、一日の売れ本数を計算して、

   もう一方で、(1)の学生数を勘案して、二重計算(二方向)か推定値を求めています。

 ・この方式は、「収束法」といわれるものです。

   新製品の普及予測に用いられています(アーバン&ハウザー)。

 

(3)それでは、推計値は、どのような分布になったのか?

 ・年間1万本から20万本まで散らばりました。

   ところが、5つのグループの平均値とると、約4万5千本でした。

 ・フェルミ推定の面白いところは、

   やり方はそれぞれ違っていても、

   各グループが知恵を出し合った結果、

   平均値が、だいたい当たってしまうという現象です。

 

 類似の事例:

  ・昨日は、日本フローラルマーケティング協会(FB講座)で、

    渋谷(東急東横店)の青山フラワーマーケットで店頭調査をしました。

  ・最終の質問が、「この店を観察して、年商を当ててみよう」でした。

    7人が参加したのですが、各自で予測をしてみました。

  ・観察は、平日の午後3時半から15分だけ

    店前の通行人数は452人、立ち止まった数が45人、

    7人が買い上げて、売上は、約1万円!

 <質問> さて、あなたなら、年商をいくらいと見積もりますか?

    答えは言えませんが、7人の中央値は、2億4~5千円でした。