今時の観光地は、SNSで突然有名になるらしい。昨日は、学生たち6人と寸又峡の夢の吊り橋まで。この頃、急に人気になった観光地の調査に行った。寸又峡の温泉旅館からの依頼で、販促研究所の杉山君と溝口さんが持ってきてくれた案件だった。合宿初日のフィールドワークに。
寸又峡は、私たちの年代だと、金嬉老事件で有名な場所だ。昔からの温泉街である年代の人たちには知名度が高い。お肌がつるつるになる美人の湯。調査を依頼してくれた宿も、大正ロマンの泊まってみたくなる日本旅館。お肌がつるつるになるらしいが、このごろは温泉そのものは寂れかけていた。
ところが、吊り橋がきっかけで、観光地として再度脚光を浴びるようになった。寸又峡にはたくさんのダムがかかっている。川の色は素敵なエメラルドグリーン。その川に吊り橋がかかっている。最も有名なのが、大間ダムにかけられている夢の吊り橋。
ゆらゆら揺れる吊り橋の真ん中で、カップルが愛を誓うと願いが叶うという伝説が。誓いとともに、SNSにアップされたエメラルドグリーンの川の写真が、いつしかインスタグラムを通して有名になった。
死ぬまでに一度は渡ってみたい吊り橋で、世界ランクで第2位に。昨日の渡橋者は800人。土曜日は1000人。カップルは土曜日に吊り橋にくる傾向があるらしい。なぜなのだろうか?
というわけで、調査員の学生たちは、吊り橋まで歩くプロムナードコースの入り口で待機。1.4kmと1.8kmの難コースを歩いて帰ってきたカップル50組にアンケートを実施。協力度が高くて、約3時間で調査は完了。
夢の吊り橋を訪れる観光客の8割はカップル。やってくるのは、名古屋方面から。この橋を知ったきっかけは、ほとんどがSNS。一部が、観光案内のパンフレットや雑誌から。
インスタグラムからの認知、流入の高さには驚きが。写真の威力をまざまざと見せつけられた。温泉は素通りされるわけだ。
この観光地は問題も多い。もっと楽しめる仕掛けが必要と感じて、アンケートの様子を見ていた。案内表示が不足している。せっかく来てくれた若者向けのカフェがない。美人の湯があるのに、足湯でさえ、体験していくカップルが少ない。たぶん、サイン看板の問題もある。
地元の旅館に宿泊客が少ないのは、夜のイベントがないからでは?吊り橋のライトアップや花火、朝市。もっとも、こんなに美しい場所だから、1日2000人も来るようになったら、騒々しくなって、カップルは落ち着かないかも。そっとしておいてほしい気もするのは、わたしだけだろうか。
個人的には、紅葉のころや新緑の頃に、今度は、お忍びで来てみたい気がする。ただし、あんまり有名になる前に、、、