【提案】 Green Camp Site in Japan: 国産有機食材をオリンピック選手村とキャンプ地に供給する仕組みの提案

 2020年オリパラに向けて、国産有機農産物の供給が問題になっています。この課題解決のため、オールジャパンプラットホーム(=アグリフード・コンソーシアム)を法政大学内に作るという提案をしています。別名、「イチバレー構想」と呼ばれています。

 市ヶ谷での最初のプロジェクトとして、「グリーンキャンプ地(選手村)」を全国市町村から募集する。
 別名の略称は、GCS(Green Camp Site in Japan)。キャッチコピーは、「2020オリパラのキャンプ地・選手村に国産オーガニック食材を!」。この提案は、小川孔輔(法政大学教授)と徳江倫明(フードトラスト代表)の共同提案によるものです。

 <経緯>
 2020年オリパラを、オーガニックを広げる格好の機会として事前キャンプ地に地元の有機生産者等をつなげオーガニック食材を提供することによって、オーガニックを核とする地域創生活動を行うという提案をOVJが行っている。
 一方、GAP団体では、アジアGAP総合研究所が事務局を務める業界団体、「日本産推進協議会」が1月21日に立ち上がり、オリパラに向けた食材調達基準の設定に業界を挙げた提案を行うことを目的している。報告では、さっそく各所からオリンピック・パラリンピックの食材調達基準の関連で説明会等引っ張りだこの状態になっているとのことです。
(https://twitter.com/takedayasuaki1/status/691879300568580096) 

 すでにご存知のとおり、ロンドン、リオ・オリンピックの食材調達基準においては、基本基準としてGAP、MSC、FSC等が一つの指針となっており、また別途基準として、あるいは推奨基準としてオーガニック、平飼い卵、アニマルウェルフェア、フェアトレード、レインフォレスト認証などが基準として取り上げられています。
 GAPとオーガニックには認証システムとしての明確な違い(システム認証と基準認証)があり、同じテーブルでは検討が進まないことが想定されます。今回、オールジャパンを前提にオーガニックのプラットホームを形成することとなっています。その目的は有機農業、オーガニックマーケの拡大です。改めて2020年オリパラをオーガニック拡大の絶好の機会として、それに向けたオールジャパン体制で、オリパラ食材調達基準へのオーガニック基準導入等を目指すプロジェクト形成を提案します。

 プロジェクトに想定される課題は以下の通りです。
1. 東京オリンピックの食糧調達基準のオーガニック基準を導入する。
2. またオーガニックに関係する他の認証システム(エシカル関係、フェアトレード、アニマルウェルフェア、MSC、FSC・・・)の採用、普及を働きかける
3. 食品業界への働きかけと情報提供・検討会の設置
4. 選手村、キャンプ地へのオーガニック食材の採用を働きかける
5. オーガニックおよび関連する認証商品の供給可能量の現実的調査・把握及び情報提供
6. 供給のための調達方法(生産、卸、物流、システム等のネットワーク化等)の確立

 <プロジェクトの趣旨>
 2020年オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、国産のオーガニック・エコ食材が供給できるよう、生産・加工・販売のインフラ作りに取り組む。現状では、2020年8月のオリパラ開催時期に、国産オーガニック食材の供給不足が懸念されている。
 国産オーガニック農産物の完全供給を実現するために、①認証基準を明確にする(段階的な認定方式の可能性)、②必要供給量を品目ごとに推定する作業が必要である。基準設定と量的推定(トーマツの調査資料活用)をしながら、具体的には、キャンプ地と選手村にオーガニック・エコ農産物を供給する国家的なプロジェクトをスタートさせる。
 このプロジェクトの完遂を、「(仮称)アグリフード・コンソーシアム」の第一課題とする。そして、2020年以降のオーガニック・エコ農産物の市場拡大に向けて、われわれが取り組むべき目標実現(有機農産物1%の達成)のための発射台(スプリングボード)とする。

 <具体的な方法論>

(1)グリーンキャンプ地(GCS:Green Camp Site)の募集
 全国の市町村から、有機農産物とその加工品が供給できる自治体を募集して、「グリーンキャンプ地」(仮称)に指定する(全国に最大200か所)。その場合、①市町村周辺にオーガニック農家の集積があるエリアで、②公立の小中学校が「自校式給食設備」で運営されている場所が有望な候補地となる。
 また、すでにキャンプ地に立候補している市町村には、「グリーンキャンプ地」として認定できるよう、プロジェクトチームが、生産技術、加工方法、輸送連携、レストラン運営(オーガニックレストラン認証)などの諸側面から、人的・技術的・資金的に具体的な支援を行う。

(2)GCS支援のセンターの設置
 GCS支援センターを、法政大学の「経営大学院」(イノマネ総研)の中に置く。プロジェクトリーダーを決め、責任を明確にする。市町村と農家、加工業者やレストラン(技術や購買力を有する民間企業)の橋渡しを活動の中心に据える。コンソーシアムの幹事と顧問が、支援活動に対してアドバイスをする。
 
(3)「選手村サミット」の開催(プロジェクトの立ち上げと最初のセミナー)
 グリーンキャンプ地募集のアイデアを広報するため、6月に予定されているプラットフォーム(ネットワーク)のお披露目では、「GCS支援センターの活動」をテーマとしてセミナーを開催する。フォーラムからの情報提供としては、
 ① ロンドン、リオ・オリンピック食材調達基準の情報提供
 ② 東京オリンピック食料調達基準(案)の作成過程の共有
 ③ GCS(グリーンキャンプサイト)の候補地の紹介(熊本、木更津、今治、郡山など)
 ④ 自校式給食設備の活用(オリンピックを機会に学校設備の活用を考え、オリンピック以降の学校給食とオーガニックを結びつける契機とする)
 ⑤ インバウンド時代に向け、地方にオーガニックレストラン認証の仕組み(リーファース、JONA・・・)を広げる
 ⑥ インバウンド時代に向け、
 ⑦ 宿泊施設との連携(Bioホテル認証システム・・・・・)
 ⑧ オーガニック食材の調達可能性情報の提供
 ⑨ 地方創生とオーガニックへの取り組みの有効性情報