上野にある居酒屋「れんこん」まで、コープネットの植野さんを連れて行くことになった。元ゼミ生の木村芳夫君が、ヤオコーから同社に転職していたからで、青果部長の植野敏弘さんは木村君の上司である。わたしがオーガニック農産物の研究者であることを知って、大学までアドバイスをもらいに来た。
わたしが農水省の会議(@法政大学)があったので、麹町にあるJFMAの事務所で会議が終わるのを木村君とともに待っていただいていた。相手役は、MPSジャパン社長(JFMA専務理事)の松島さんである。
以下の話は、松島ブログに掲載される約束になっていたのだが、いまもってアップされている様子がないので、わたしのブログで紹介することに。
植野部長は、埼玉県熊谷市(日本一暑い町)の出身。野菜好きの自称「レンコン博士」である。わたしと松島さんは、それを聞いて「???」と思ったのだが、それを証明する事件が起こった。
松島さんがこの店「れんこん」を選んだのは、松島さんも「れんこん」(この場合は、潤さんのお店)が好きだからである。そうなのだが、たまたま偶然にも、レンコン博士を不忍池畔のれんこん専門店に連行することになった。
いつものように、松島さんが注文をかってでた。オーダーしすぎることにならないよう、生ビールと一緒に、からしレンコンとレンコンのきんぴらとお刺身の盛り合わせ。とはいえ、それにつづいて、レンコンのチップス、レンコンのはさみ揚げ、レンコンのエビしんじょなどを頼んだ。
2Fの奥の部屋で、生ビールを飲みながら、野菜の産地や品種(在来種)の話になった。木村君も埼玉の寄居市出身である。小川町の金子美登さん(有機農産物生産者)や奥田政行シェフ(山形のイタリアン料理店、実際は江頭さん?)が集めている在来種の話題で盛り上がった。その流れで、その場の座興として、レンコンの産地当てクイズをすることになった。
わたしは、レンコンといえば、茨城か徳島、九州(辛子レンコンのお膝元)が主産地だと思っていた。あとでレンコン博士の植野さんから教えていただいたのだが、新潟や愛知にも産地があることを知った。
かつて問題になった中国などからの輸入物レンコン(徳島の産地があとで泥をつけて販売!)もある。多くの産地があるので、そう簡単には産地は当たらないだろうと思った。ところが、、、
さて、二番目に登場したレンコンのきんぴらに、植野部長はいたく感激している様子。れんこんの調理法をほめながら、レンコンの食感を楽しんでいるようにみえた。「このレンコンは、どこ産のものかわかりますか?」という私からの質問に、植野部長は間髪を入れずに答えた。「茨城産ですね。おそらくは、玉川村(あたり)」
いまは、町村合併していて、市になっているらしい。その市の名前は忘れた。女の子が、松島さんとわたしが頼んだ焼酎のお湯割りを運んできた。「このレンコンの産地はどこ?」と、わたしがその若い子にたずねてみた。「茨城産です。土浦のものです」。
”してやったり”と植野部長は満面の笑顔。しかも、玉川村は、土浦に隣接している地区だった。品種も当たったようだ。「金澄」という品種で、「この品種は改良が進んでいて、20何号まであるんですよ」(植野さん)
このあとは、植野部長による「全国レンコン情報」の開陳となった。
新潟には、大口蓮根で、榎本やだるまという品種がある。佐賀のレンコンは、モチモチあって美味しいなど。国産のレンコンがやはり品種改良が進んでいるようだった。
とにかく、レンコンの食感で品種は当たりそうだが、産地までは。しかも細かく市区町村まで特定できる人は、ワインの世界でもそうはいないのではないだろうか?さすがに、レンコン博士である。
というわけで、全国のレンコン生産者を集めて、不忍池「居酒屋れんこん」で懇親会を開くことになった。全国れんこん生産者協議会の会長は、もちろんコープネットの植野部長。松島、小川は、協議会顧問に就任することに。事務局長は、木村君が担当するだろう。