なんとはなく、さすがにそろそろ燃え尽きそうだ

 昨日も、『読売オンライン』で週末明けから連載を始める「夢の国で起こっていること(仮)」を書くため、舞浜のディズニーランドに行ってみた。早めにゼミを切り上げて、アフター6パスを使っての来園だった。しかし、今朝から原稿が一向に先に進まなくなった。



 先月から昨日まで、9本の原稿を仕上げた。雑誌社からは、修正の依頼や校正の確認などが矢継ぎ早にやってくる。それはそうだろう。原稿は書いて終わりというわけではない。依頼主たちは、文体や主張にそれぞれ独特のテイストを持っている。テーマの微妙な変更やデータの追加などの要請が入ってくる。
 その作業に追われているうちに、一か月は絶好調だった筆勢に疲労感が出てきている。昨日のように、小雨の中、肌寒い3時間半をアトラクションを楽しみながらキャストの観察に費やしていると、テンションが次第に落ちてくる。ディズニーは楽しかった。だが、書き手としての疲労感が重くのしかかってくる。
 25年ぶりのTDLは、夢の国であることに変わりはなかった。若い女の子たちが、ミッキーと楽しそうに抱き合って遊んでいた。それでも、わたしは微妙な違和感を感じたものだ。その内容は、連載の中で解説する。魔法の国で何かが変わり始めている。それは、もしかすると、日本人の米国文化に対する態度変容のはじまりなのかもしれない。

 とはいえ、あと一週間で、二本の原稿(ひとつは、3回分の連載)を書きあげなければならない。いったん引き受けた仕事を、途中で放り出すわけにはいかない。どんなに体調が悪くても、”原稿を落とすこと”は許されない(若いころ、二度やってしまったことがある)。
 体力、気力、知力の働きは、いつも順調というわけではない。筆がとまって、ときどき泣きたくなることもある。人間だから、いつも完璧な仕事ができるわけでもない。それでも、先に行くしかない。
 今日も天気がよろしくない。いままで3時間だが、筆が止まってしまった。ちと悲壮感が漂っている。