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「メゾン・ド・フルール」(ストライプインターナショナルの服飾雑貨ブランド)、4年連続で2ケタの増収増益が続く
 自分の学生が立ち上げた事業の成功は、教師としては喩えようもないくらい嬉しいものだ。今年度、企業推薦で入学してきた鈴木将之さん(ストライプインターナショナルの統括マネージャー)が5年前に立ちあげた服飾雑貨事業が、『繊研新聞』(2018年10月4日号)の一面で取り上げられていた。今期も2ケタ増収増益で、9月には台湾(台北)にも進出している。

 

 好調な事業の背景には、「購入客やファンのデータ分析を徹底してきたこと」(鈴木将之統括マネジャー)があると記事では説明がなされていた。事業が上向きになっている要因は、販売データ(POS)だけでなく、ECやSNSなどで取得できる定性情報(女性客の行動や関心データ)を収集し、女性ファンの生活シーンで価値ある商品が提供できているからなのだろう。

 商品政策面では、当初のレッグウェア、アクセサリーを軸とした品揃えから、半年後に、「女性のかばんの中身」にMDコンセプトを修正している。この転換により、「フェミニン、カワイイ、クラシックの独自テイストを好む熱烈なファンを引き付けている」(繊研新聞のコメント)。コアな顧客のニーズに深く突き刺さる商品に仕上がっていることが認められる。

 情報発信面では、インスタグラムのブランド公式アカウント(フォロワー約18万人)で、新商品の発売前に情報が届くような仕組みを作った。SNSでの情報発信が、絞り込まれたターゲットの購買意欲の喚起に上手につながっている。コアなターゲットにジャストフィットした商品情報が、SNSのチャネルを通してパーソナルな感覚で届けられているのが成功のカギなのだろう。

 

 ブランド名は、フラワーをイメージした「メゾン・ド・フルール」(フランス語で、「花の館」)。現在は、都内を中心に26店舗を展開。国内で年5店舗のペースで出店をしていく計画を持っている。台湾だけでなく、アジアへの進出も視野に入れているらしい。

 ところで、取り扱っている商品は、自分用にもギフトアイテムとしても使うことができる。筆者も、次男の嫁さん(33歳)へのプレゼントに「ギフトボックス」を使わせていただいた。フェミニンな感じのトートやポーチは、色彩もデザインも素敵である。とても喜ばれた。

 自然な商品展開で、最近のヒットはトラベル関連のトランクに広げている。また、ディズニーストアなどとコラボレーションで商品を企画開発し、EC限定で販売をしている。他社と共同企画で商品開発が進む可能性を感じる。

 フラワー業界にやや詳しいわたしからの推薦は、ブランド系の花店とのコラボレーションを進めることである。たとえば、少し前に本ブログで紹介した「Karendo」(本社:奈良県)や「Bloom&Stripes」(本社:東京都)との共同ブランド開発はどうだろうか?

 

 <追記>

 この記事をアップした後で、鈴木さんの携帯に電話をしてみた。ブランドが成功した要因として、追加のコメントをたずねてみた。記者のインタビューに書かれていない要因が3つあった。

 1 プロパー比率(定価販売)が100%に近くなっている。通常は、衣料品業界ではプロパー比率20%とか30%のブランドもある。メゾン・ド・フルールではセールをしなくてよいので、いつでも安心して消費者は買い物ができる。

 2 5つ目のP(パッケージ)にこだわった。デザインにお金をかけて、ギフトボックスなども凝ったものにしている。素敵なパッケージデザインが、女子の心をとらえている。 

 3 自分のための商品購入も増えているが、ギフトが全体の6割を占めている。贈られて商品が気に入って、来店してくれる客が多い。ギフトから新たな需要が生まれ、それがさらに需要を生み出すという「芋ずる式で顧客が増える好循環」が、このビジネスの二けた成長を支えている。

 

 記事に書かれていないことがより真実を語っていた。鈴木君、これからも健闘を祈る。 

 

 

 

| Kosuke Ogawa | 09:30 | - | - | pookmark |

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