コピー天国の天才的なパクリ企業「メイソウ(名創優品)」を知っていますか?

 中国で人気の日本の小売業は、ユニクロ、無印良品、ダイソー。その3つを巧妙に組み合わせた雑貨店に上海で出会った。店名は「メイソウ」。英語をカタカナを併置したロゴマークは、ユニクロ。商品の価格付け(10元均一)は、ダイソー。パッケージと店名の漢字表記は、無印のパクリだ。



 2015年1月現在、アジアに400店舗。日本にも、2014年9月に進出。早稲田や池袋などに4店舗あるらしい。インバウンド顧客を狙った商売なのだろう。おそらくふつうの日本人は買わないだろう。でも、上海の南京東路に2店舗あって、おのぼりさんで繁盛していた。
 JFMAのメンバーと町を歩いていて、偶然に遭遇。店の看板がなんとなく見覚えがあると思ったら、ユニクロにそっくり。店内の商品をのぞくと、パッケージは無印そのもの。均一価格は、100円ショップのダイソーのコンセプトそのものだ。人気の日本ブランドを組み合わせた妙は、なんとも天才的だ。
 看板のロゴマークを正確に表記してみる。並置された赤いタイルの左側が、上から「MINI」「SOU」「名創優品」と白抜きで重ね書きしてある。右側が、「ユニクロ」に真似て「メイソウ」。この表記は、ユニクロのブランドロゴマークそのものだ。佐藤可士和作品だから、佐藤さんは怒ってもいいだろうが。
 
 ウイキペディアによると、
 名創優品(めいそうゆうひん、メイソウ、英:MINISO Life)は中華人民共和国を中心とした、雑貨販売を主に行う企業である。キャッチコピーは、「今の生活が好き! だから、名創優品」「Love Life, Love MINISO」。
 天才的なコンセプトとブランディングの模倣だ。さすがに買わなかったので、品質はわからないが、推して知るべしだろう。上海のお土産にはちょうどいい値段だ。店内は若い客でごった返していた。商品は飛ぶように売れていた。

 なお、2015年中に、中国を中心に店舗数は1000店に達すると予測されている(ウイキペディアより)。本当にそんなに店数が増えるのかなとは思うが、勢いはあるようだ。しかし、それにしても、迷走する中国を象徴するストアブランドだ。
 人のふんどしで相撲を取ることしか考えない。模倣はとても上手だが、基本的には創造性が欠如している。いつかはめっきがはがれてしまうだろう。あれだけの創造的な模倣ができるのだから、しっかりやれば本物の創造ができるのに。
 クリエイティブな力の磨き方について、どこかで方向性をまちがえている。おしい気がする。