迎賓館 ここは日本じゃないみたい

 先週の土曜日(8月30日)は、迎賓館の一般公開日だった。先月、友人が四ツ谷に用事があって迎賓館の前を通った時にパンフレットを入手したらしい。そのまま申し込んだら当たったので、わたしにお誘いがまわってきた。めったに見られない内部の「内覧会」に参加することにした。



 公開時間は10時から16時までなのだが、一番乗りをして9時50分に西門前に並んだ。その時間には、守衛所前に列ができていた。30人くらいの行列だ。平均年齢は、さすがにある程度の方がおおい(笑)。
 雨上がりで気持ちが良い。迎賓館前の芝生では、ランナーたちが準備体操をしている。膝が痛いので、軽快に走れるランナーがうらやましい。外苑から絵画館前を通って、東宮御所の周りでも走ってくるのだろう。
 わたしたちは、西側の入り口から入った。夕方まで6時間いてもいいらしいが、実際の観覧時間は約50分。4つの大広間を見て、ボランティアガイドさんたちの説明を受けた。
 四ツ谷の迎賓館は、東宮御所(京都御所と姉妹関係)である。明治の初期にフランスから資材を持ち込んで建てたものだ。船で運んできたシャンデリアは800KG。その部品点数は、約1000個。言葉もろくに通じない時代に、よくぞ間違えず組み立てたもの。だが、当時の東京には、腕の良い江戸の職人がいたのだろう。

 迎賓館の建物の設計などは、フランスの様式に倣ったものだ。だが、基本設計は、日本人が担当していたようだ。いまの建築家はなかなか名前が残せないが、当時は、東京大学や芸大の先生たちが立派なデザインで名前を残している。なんでも、最初に試みた人間はエライのだ。
 迎賓館の西門から入って、西側のフロント玄関に。そこからステップをあがって、東側の出口までぐるりと一周。フランス様式の建築を楽しんだ。室内には、タペストリーや陶器も展示されている。
 パリのルーブルやロシアで見た美術館のような設計になっている。私自身はあまり建築様式やデザインには詳しくはないが、欧州のデザインを日本風にアレンジしたものなのだろう。尾形光琳の作品などもあるが、なんとはなしに、室内は欧州そのものだった。
 実のところ、いちばんの見ものは、裏庭の噴水である。この噴水は、門の外からは絶対に見えない。建物内は撮影が禁止になっている。大噴水の写真を撮って、友人たちに送った。