海外からお客様(スピーカー)を呼んで、毎年6月に国際セミナーを開催している。創設から休みなく15年。花業界に新しい風を吹かせるためだ。自国の業界にない発想を、日本にもたらすためである。その役割を続けられているのが、わたしたちの組織(日本フローラルマーケティング協会)の強みである。
多くのヒントをこのセミナーが日本の花業界人に提供してきた。その意義は、とても大きい。そこから、多くのプロジェクトが始動している。
切り花の日持ち保証、MPS(花の環境認証)の日本への導入、「フラワーバレンタインの推進」から「花の国日本協議会」の設立など。なんらかの意味で、JFMAの国際セミナーがきっかけになっている。
オランダ人とドイツ人とフランス人と米国人には、大いに感謝である。一方的に学ばせてもらった感じもある。まだ、わたしたちのほうから「お返し」ができていない。
そんな有意義な企画なのだが、反省点もある。
国際セミナーをはじめてから、いちばん気になっているのは、セミナーへの参加料が高額なことである。昨日のセミナーも、懇親会を含めて、一般が2万円、会員が1万5千円の価格設定になっている。わたしたちの活動をあまり知らない業界人からは、「(JFMAは)金持ち集団だから」と揶揄されているようだ。責任者として、そのことをまったく知らないわけではない。
ただし、舞台裏を明かして言い訳をさせてもらうと、外国人の講演者をふたり呼べば、飛行機代と宿泊費(最低3泊)がかかる。同時通訳を必要とするので、最低二人の同時通訳者を手配しなければならない。さらに、同時通訳のシステムが利用できる施設を探すとなると、法政大学のスカイホールなど、いくつか施設に会場が限定される。
金額は言えないが、公共的な場所でも会場代はばかにならない。快適に同通が聞けて、万が一の機械的な事故(使用不能になる場合)に備えて、バックアップの職員も準備している。これにも金がかかる。
というわけで、懇親会を含めて参加費がかなりの額になってしまう。われわれの運営の仕方が下手なのか、それでもセミナー自体は赤字である。
したがって、従来からの国際セミナーでの外国人招待と運営の仕組みを、そろそろ見直す必要性を感じている。それは会長のわたしだけの意見ではなさそうに思う。赤字のままで運営するわけにはいかないが、参加者のすそ野を広げるためにも改革の必要性を感じる。
どんなに素晴らしい講演でも、多くの業界人が聞けないようでは、開催意義が半分になる。どうにかして、参加費用を安くする手立てを考えたい。昨日は、そのことを痛切に思った次第である。