早朝に仕事を終えることの効用、伊藤忠商事も「朝型勤務」を正式に導入

 10年ほど前から、原稿書きや授業の準備は早朝の作業になった。テキストを書いたり、連載原稿を書くのに、朝4時ごろに起床しないと締切りに間に合わなくなったからだった。緊急対応で始まった習慣だったが、結果として生産性が高まったことに感謝している。



 年齢を経るにしたがって、社会的な付き合いが多くなり、夕方からは仕事ができなくなった。60を過ぎてからはさすがにスタミナ不足を意識するようになった。現実的に、夕方にはエネルギーが残っていない。それで、出来るだけ早く寝床にたどり着くようにしている。
 それでも仕事はどんどん降ってくるから、これをこなさないと気持ちが悪い。「しごと大好き!」な人間で、約束した仕事を残しておくのが、死ぬほどいやな性格だ。だから結局は、早朝に起きあがって、頭がクリアーなうちに仕事に取り掛かる。夏場だと、作業開始の時刻はほぼ4時前後。
 うぐいすが鳴き始める前に、梨畑の周囲を5KM、25~30分をかけて走ってから仕事を始めることもある。ほんとうに事態が逼迫していて(苦笑)、すぐ仕事にとりかかることの方が多いかもしれない。その場合は、昼ごろまはで休憩なしで6~7時間、原稿を書き続ける。

 集中力は、年齢とともにはそれほど衰えないものだ。
 執筆のための準備資料は、前日に通勤電車の中などで読んでおくか、ベッドに持ち込んで就寝前の時間にざっと目を通しておく。わたしは、これは、一種の”睡眠準備作業”だと思っている。寝ている間に、わたしの脳の命令にしたがって仕事しているのだ(これは、本当にそうだと思うことがある)。
 早朝にベッドから起きあがった時点で、書くべき内容はほぼ固まっている。考えは整理できているので、それを脳の命令に従って、わが指は弾丸を発射するごとくキーボードを連打する。
 朝の5~6時間をつかって、A4ワードの文章で4~5ページが完成している。早朝の作業l効率は、1時間1200字~1400字である。これを毎日続けていれば、月に150頁の文章がたまっていく。その半分は、ブログのようなコンテンツだから、書籍や雑誌の原稿として残るのは、その半分で、70~80頁。
 それでも、標準的な書籍のページに換算すると、これで月間100頁強にはなる。計算上は、3か月に一冊の本が完成できることになる。朝型の生活をしているからできる芸当ではある。

 さて、伊藤周商事(同級生の岡藤くんが社長だ!)でも、わたしのような働きぶりのほうが生産性が高いことが証明できたようだ。次のような記事が「共同通信」から配信されてきた。そのまま、ネット記事を引用する。

 みなさんは、どのように仕事の時間を確保しているのだろうか?
 もし、あなたが50歳をすぎていて、やや疲れを感じているなと感じているなら、わたしや伊藤忠商事の社員のように、仕事の時間を朝型に転換することをお勧めしたい。

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 「伊藤忠、朝型勤務を正式導入」(きょうどうつうしん 2014年4月24日(木)20時16分配信)
 伊藤忠商事は24日、仕事の効率化を目指して昨年10月に試験運用を始めた朝型勤務制度で、残業時間や人件費の削減効果が確認されたため、ことし5月1日から正式に導入すると発表した。
 この制度は、早朝に働くメリットを感じられるよう、午前5~9時の時間外手当の割増率を引き上げ、午前8時前に仕事を始めた社員にはヨーグルトなどの軽食も提供する。一方、午後8時以降の勤務は原則禁止し、午後10時には社内を完全に消灯する。
 試験運用は管理職を含めた国内の正社員約2600人を対象に実施。3月末までの半年間で、月平均の残業時間は前年同期と比べて約8%減った。