2014年度大学院IM研究科「マーケティング論」(講義スケジュール)

 4月24日から、2014年の「マーケティング論」がスタートする。例年通りに、グループ発表4本(テーマ課題)、個人レポート6本(個人課題)を予定している。今年度は、新しく食品スーパー「福島屋」の現場観察(特別講演+グループ討議)が加わり、継続でアジア事業プロジェクト(事業創造)。


IM研究科・2014年春学期「マーケティング論」  V2:2014年4月22日

Ⅰ 授業と事前アナウンスメント
1 授業の基本方針
IM研究科の大学院生のために、
(1) マーケティングの基本的な概念と枠組みを講義する。
それだけではなく、基礎概念の応用力を高めるために、
(2) 「事例に基づくクラス討議」(「テーマ討議」)、
(3) 「基礎文献の解説」(資料はデジタル配布)、
(4) 「課題事例の個人レポート」
(5) 「外部講師による講演と討議」(4本)
を準備することにした。

2 授業運営の仕組み
(1)「通常のレクチャー」:
 ・14回分の<基礎講義>が準備されている。基礎概念を、講義1~講義14で学ぶ。
 ・それに加えて、特論1~特論2が用意されている。
(2)「事例に基づくクラス討議とリサーチ」:
 ・4つのテーマに関して、クラス討議を行う。
 ・テーマ事例について、テーマ討議(1)~(4)とする。
 ・テーマ討議1 「マクドナルドの時代は終わった?」
 ・テーマ討議2 「ユニクロ」の戦略転換?
 ・テーマ討議3 「福嶌屋」については、六本木店の現場体験的な実査を含む
 ・テーマ討議4 「アジア事業プロジェクト」については、別グル―プの編成とする
(3)「必読文献の解説」
 ・ 各講義について、講義テーマに関連した<必読文献>を指定して配布する。
 ・ 5月8日~(文献・討議資料)に、必読資料を配布する(電子的に配布)。
(4)「個人課題レポート」
 ・ 全部で6つの事例を資料として配布する。解説した2週間後に、短いレポートを提出すること。A4で1~2枚の長さ。
(5)「外部講師による講演と討議」
 ・4人の外部講師にレクチャーをお願いする。
 ・今進行中の”生きた事例”による討議を行いたい。

3 テキスト・参考図書(五十音順)
 全体のテキストは、*小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞出版社。各章ごとに、以下の参考図書を使用する。

<テキスト>
(1)小川孔輔(2009)『マーケティング入門』日本経済新聞社(講義#と章が対応)
(2)J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
(3)嶋口充輝他編(1998~1999)『マーケティング革新の時代(1)~(4)』有斐閣
(4)和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦(2006)『第3版 マーケティング戦略』有斐閣
(5)小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫

<参考図書>
(1)安積敏政(2011)『サービス産業のアジア成長戦略』日刊工業新聞社
(2)小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館
(3)小川孔輔(2014)『ホワイト企業(仮)』生産性出版
(4)小川孔輔(2014)『マクドナルドの時代は終わった?(仮)』東洋経済新報社
(5)桜井多恵子(2013)『重点販売』実務教育出版
(6)山本晶(2014)『キーパーソン・マーケティング』東洋経済新報社
(7)松井剛(2013)『ことばとマーケティング』碩学舎
(8)V・ランガン(小川浩孝訳、小川孔輔監訳)(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社
(9)生源寺眞一(2013)『農業と人間:食と農の未来を考える』岩波書店
(10)岩崎達也(2013)『実践メディア・コンテンツ論入門』慶應義塾大学出版会

<実務家の書籍>
(1)志村なるみ(2010)『ABC Cooking Studio 女性の心をつかむブランディングの軌跡』朝日新聞出版
(2)原田泳幸(2011)『勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論』朝日新聞出版
(3)柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
(4)浅利慶太(2013)『劇団四季メソッド『美しい日本語の話し方」』文藝春秋
(5)福島徹(2014)『福島屋:毎日通いたくなるスーパーの秘密』日本実業出版社
(6)石川康晴(2013)『アース ミュージック&エコロジーの経営学』日経BP社
(7)茂木友三郎(2013)『国境は越えるためにある』日本経済新聞出版社
(8)平石郁生(2014)『挫折のすすめ』インプレスR&D

4 成績評価:
 以下をほぼ同等に案分して成績を評価する
 ・授業内の発表・出席(報告、討議への参加発言)
 ・ グループレポート(発表、コメント)
 ・ 個人レポート(課題1~6) +7&8のどちらか

Ⅱ 授業運営スケジュール

1―1 4月24日(1時限) 「講義1:マーケティングの基礎概念」(*第1、3章)
  <必読文献> 嶋口充輝(2004)「序章 仕組み革新の時代」嶋口充輝他編『仕組み
       革新の時代-新しいマーケティング・パラダイムを求めて-』有斐閣
 <必読文献> T.レビット(2001)「マーケティング近視眼」
       『Harvard Business Review』2006年11月号

1-2 4月24日(2時限) 「テーマ討議1:“日本マクドナルド”に復活はあるのか?」
 <討議資料> 小川孔輔(2014)「(出版企画書):マクドナルドの時代は終わった?」
       原田泳幸(2001)「経済教室(1)~(4)」『日経ビジネス』
 <参考図書> 原田泳幸(2011)『勝ち続ける経営』朝日新聞出版

2-1 5月8日(1時限) 「講義2:マーケティングの歴史」(*第2章)
 <必読文献> R.S.テドロー・近藤文男監訳(1993)「第1章 消費の時代―
       アメリカにおけるマス・マーケットの形成」『マス・マーケティング史』
       ミネルヴァ書房
 <必読文献> 小川孔輔(2013)「石井教授の“マーケティングの知3.0“を妄想する」
       『季刊マーケティングジャーナル』139号
 * 課題1 「マーケティングの未来」

2-2 5月8日(2時限) 「テーマ討議2:ユニクロとハニーズの中国事業」
 <討議資料> 小川孔輔(2003)「中国への日本ブランド移転物語
       ユニクロ中国新国民服構想 優衣庫 in 上海(前・後編)」
       『Chain Store Age』2003年7月15日号、 9月15日号
 <討議資料> ファーストリテイリング執行役員会配布資料(上海・優衣庫)
 <討議資料> 江尻義久(2013)「ハニーズの経営戦略とグローバル展開」
       (JCSIシンポジウム2013@葉山)
 <参考図書> 柳井正(2009)『成功は一日で捨て去れ』新潮社
 <参考図書> 大宮冬洋(2013)『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』
 <参考図書> 安積敏政(2011)『サービス産業のアジア成長戦略』日刊工業新聞社

3-1 5月15日(1時限) 「講義3:マーケティング戦略の構築」(*第3、6章)
 <必読文献> 網倉久永・新宅純二郎(2011)「第1、2章」
       『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』日本経済新聞出版社
 <必読文献> 岡本智(2003)「第1章 技術のブランディング」法政大学産業情報
       センター・小川孔輔編『ブランド・リレーションシップ』同文舘出版

3-2 5月15日(2時限)「特別講義1:日本企業のアジアでのマーケティング」
  特別講師: 林広茂氏(西安交通大学客員教授、元同志社大学大学院教授)
 <参考図書> 林廣茂(2012)『味の素のグローバル戦略』同文館出版
 <参考図書>  J.C.ウズニエ、J.A.リー(小川孔輔・本間大一監訳)(2011)
       『異文化適応のマーケティング』ピアソン桐原
 <参考図書> 茂木友三郎(2013)『国境は越えるためにある』日本経済新聞出版社
 * 課題2 「和菓子に未来はあるのか?」

4-1 5月22日(1時限) 「特論1:ブランド戦略」(*第16、18章)
 <参考図書> 小川孔輔(2011)『ブランド戦略の実際(第2版)』日経文庫

4―2 5月22日(2時限) 「テーマ討議1:グループ発表」

5-1 5月29日(1時限) 「講義4:マクロ環境の分析」(*第4章)
 * 「テーマ討議3:アジア事業プロジェクト」(チーム編成)
 * アジア・データベース検索(説明) RA:青木恭子さん

5-2 5月29日(2時限) 「テーマ討議2:グループ発表」

6-1 6月5日(1時限) 「講義5:消費者行動と顧客の分析」(*第5章)
 <必読文献> 小川孔輔(2005)「バラエティシーキング行動モデル」
       『商学論究』(関西学院大学商学研究会)2005年3月号
 <参考図書> 守口剛・竹村和久(2012)『消費者行動論』八千代出版

6-2 6月5日(2時限) 「特別講義3:日本のホールフーズ、福島屋」
  特別講師: 福島徹氏(スーパー「福島屋」社長)
 *この講義は、<テーマ討議3>の話題提供である
 <参考図書> 福島徹(2014)『福島屋:毎日通いたくなるスーパーの秘密』
       日本実業出版社

7-1 6月12日(1時限) 「講義6:マーケティング・リサーチ(1)」(*第7章)
 <必読文献> 小川孔輔(2009)「第7章 マーケティング・インテリジェンス」
       『マーケティング入門』日本経済新聞社

7-2 6月12日(2時限) 「講義7:マーケティング・リサーチ(2)」(*第7章)
 <必読文献> 梅沢伸嘉(マーケティングコンセプトハウス)(2005)
       「第1章、第2章」『グループダイナミックインタビュー』同文舘出版
 <参考図書> 梅沢伸嘉(2003)『消費者ニーズ・ハンドブック』同文館出版

8-1 6月19日(1時限)講義8:製品開発のプロセス」(*第8章)
 <必読文献> 野中郁次郎・竹内弘高(1999)
       「第9章 ラグビー方式による新製品開発競争」
       嶋口充輝他編『マーケティング革新の時代2 製品開発革新』有斐閣

8-2 6月19日(2時限) 「特別講義3:チェーンストアのMDと商品開発(仮)」
  特別講師: 桜井多恵子(日本リテイリングセンター、シニアコンサルタント)
 <参考図書> 桜井多恵子(2013)『重点販売』実務教育出版
       渥美俊一・桜井多恵子(2010)『チェーンストアの商品開発-これから
       の商品企画と「売れ筋」づくりの基本』ダイヤモンドフリードマン社
 * 課題3 「桜井先生からのお題」

9-1 6月26日(1時限) 「講義8:新製品の普及と予測」(*第9章)
 <必読文献> 松井剛(2013)『ことばとマーケティング』碩学舎
 <参考図書> 山本晶(2014)『キーパーソン・マーケティング』東洋経済新報社

9-2 6月26日(2時限) 「講義9:価格づけの理論」(*第10章)
 * 課題4 「フラワーバレンタイン2014年」

10-1 7月3日(1時限) 「講義10:価格決定の実務」(*第11章)
 <必読文献> 上田隆穂(2003)「日本マクドナルド:スケールメリットを追求する」
       『ケースで学ぶ価格戦略』有斐閣

10-2 7月3日(2時限) 「課題5:ANAのブランド構築」
 <課題資料> 鹿野秀考(2013)『最新鋭の翼とやさしいおもてなし:
       シンガポール航空』(2012年度CSフォーラム 第3回)
       小川レポート(新ブランド“ANA Plus”の提案)

11-1 7月10日(1時限) 「特論2:サービス・マーケティング」(*第17章)
 <必読文献> 小野譲司(2010)「第1章、第2章」『顧客満足の知識』日経文庫
 <必読文献> 南知惠子・小川孔輔(2010)「日本版顧客満足度指数(JCSI)の
       モデル開発とその理論的な基礎」『マーケティングジャーナル』117号

11-2 7月10日(2時限) 「講義11:広告宣伝活動」(*第12章)
 <必読文献> 岩崎達也・小川孔輔(2008)「テレビ番組のプログラム価値マップ
       (上)(下)」『日経広告研究所報』2008年8・9月号、10・11月号
 <参考図書> 岩崎達也(2013)『実践メディア・コンテンツ論入門』
        慶應義塾大学出版会

12-1 7月17日(1時限) 「講義12:セールス・プロモーション」(*第13章)
 <必読文献> 小川孔輔・ミラー前野和子・野沢誠治(1999)
       「ブランド・エクイティと景品付きセールス・プロモーション—
       SPの長期効果についての実証分析」『日経広告研究所報』1999年4月号
 <必読文献> 大槻博(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化-
       1980~1995 マス広告から店頭マーケティングへ」
       『マーケティングジャーナル』70号

12―2 7月17日(2時限) 「特別講義4:テーマ、講師未定」
 * 課題6 (特別講師より)

13―1 7月24日(1時限) 「講義13:代替的チャネルの選択」(*第14章)
 <必読文献> ランガン(2013)『流通チャネルの転換戦略』ダイヤモンド社
 <必読文献> 住谷宏(2008)「第1章 流通の役割、第2章 流通の主体と客体」
       『流通論の基礎』中央経済社

13-2 7月24日(2時限) 「テーマ討議4 アジア事業プロジェクト(グループ)」

14-1 7月31日(1時限) 「講義14:小売業の経営と店頭管理」(*第15章)
 <必読文献> 小川孔輔(2011)『しまむらとヤオコー』小学館

14-2 7月31日(2時限目) まとめ
 <必読文献> 小川孔輔(2007)「食のSPF」『チェーンストアエイジ』2月15日号

15-1 夏休みの宿題1「課題6:劇団四季」
 <参考図書> 小川孔輔(2014)「劇団四季」『ホワイト企業(仮)』生産性出版
 <参考図書> 浅利慶太(2013)『劇団四季メソッド『美しい日本語の話し方」』
       文藝春秋

15-2 夏休みの宿題2「課題7:ランナーズ」
 <参考資料> 橋本治朗(2010)「ランニング市場の開発とサービスの変遷」
       (IM研究科2010年春学期「マーケティング論」講演録)

Ⅲ 必読文献一覧

<参考文献・資料>などは、添付のエクセル表を参照