二度目の招致が悲願となっている「2020年東京オリンピック」の開催は、いまいち盛り上がりに欠けている。イスタンブール(トルコ)やマドリード(スペイン)に比べて、参加に熱心な国民・都民の割合が圧倒的に低いのである。両都市の市民80%以上が[ネツレン歓迎」に対して、東京はせいぜい60%程度である。
発展途上国と先進国。彼我のこの差は、一体どこから来ているのか? また、熱気の低さを反転させるにはどうしたらよいだろうか? この二点が、昨日のゼミでの討論課題だった。
30分のクラス討議と20分の発表からは、意外な事実が明らかになった。なお、クラス討議は、「東京へのオリンピック招致」に対して、熱心さの順番から5チームに分かれて行われた。このチーム分けにも温度差があって、おもしろかった。
驚愕の事実は、「東京オリンピックをぜひとも誘致したい」(Aチーム)は、わずか5人。その他18人は、「どちらでもよい」(B1、B2チーム)か、「関心がない」(C1、C2チーム)だった。
結論である。熱意低迷の原因は、オリンピックのような一般スポーツ競技に対するる世代間の意識格差であった。
わたしたち世代は、1964年の東京オリンピックの熱気を知っている。しかし、1990年代初頭に生まれたゼミ生たちは、その熱気を知る由もない。1964年は、遠い昔のことである。
そして、わたしたち世代との一番大きな違いは、豊かになった日本の社会では、スポーツ以外にも、楽しみが実に沢山あることだった。貧しい時代の祭りに対する渇望は、いまの若い世代にはない。その点を、「熱烈に招致活動にいそしむ旧世代」は理解していないのである。
二番目の質問: 投票が行われる9月までに、東京オリンピック招致への熱気を高めるための施策としては、つぎの二つの提案が上がってきた。どちらの意見(Bチーム、Cチーム)も、あまりオリンピックに熱心ではないグループからの提案である。
(1)C-1,2チームから共通の提案
「オリンピック開催記念セール」(KONAMIスポーツクラブ)
9月に東京が開催地として選ばれたならば、巨人が優勝したとき百貨店がバーゲンをやるように、全国の百貨店などで大々的にセールを実施する。そうすれば、オリンピックに熱心でない若年層も、東京での開催に熱心になってくれるのではないか。
また、全国のフィットネスクラブ(たとえば、コナミスポーツクラブ)では、東京オリンピック開催が決まると同時に、無料招待券を大量に配布する。スポーツ振興にも寄与できるだろう。
とにかく、祭りとして盛り上げないと、関心が高まらない!
(2)B-1,2チーム
「7年目の贈り物」
2013年に東京での開催が決定したとする。その時(9月)に、抽選で7年後の「観戦チケット」を配布する。自分が好きな競技を選んで、たとえば、子供や孫にプレゼントをするなど。7年後の2020年に使用が可能な入場券は、若者たちにオリンピック競技に対する関心を高めるだろう。
また、1964年を経験したわたしたちの多くは、2020年には生きていないかもしれない。その分を子供や孫たちに託すという意味もある。
以上の意見は、東京へのオリンピック招致運動に多少なりとも貢献できるだろう。いかがなものだろうか? わたしは、柔道とバレーボールの入場券がほしいな(笑い)。