2013年度IM研究科「マーケティング論」の<課題1>をアップしておく。「カインズのPB商品開発」がテーマである。昨年度のものと内容はほぼ同じであるが、資料としては、『販売革新』(2012年7月号)の土屋社長へのインタビューが新たに追加されている。
<課題1: カインズのPB開発> (以下の質問に答えよ)
(Q1) カインズのPB商品開発をリードしている「基本的な考え方」(コンセプト)は何だろうか? カインズが自社PBを作る際に挙げている「ガイドライン」を3つあげよ。
(Q2) カインズの土屋裕雅社長は、2010年の経営方針(小川との対談記事を参照)で、「将来的には、PB比率を現状の30%から50%まで高めたい」と述べている(2012年にはすでに40%程度になっている)。PB比率が50%を超えたときのメリットとデメリットを議論せよ。(ヒント:カインズの立場と消費者の立場に分けて考えよ。)
(Q3) 以下で述べる「小川の懸念」について、諸君の意見を自由に述べよ。
論点:
カインズホームに限らず、小売業が主導してPB商品を開発するときは、どのような分野の商品を、どのように開発すべきかに目が向けられることが多い。ところが、開発が終わった商品を、どのように店頭で販売したらよいのかについてはあまり議論されることが少ないように思う。しかしながら、このことは、小売業として非常に重要な視点である。なぜならば、自社PBの開発を積極的に推進していく場合は、本来ならば、NBメーカーからあるはずの販売支援機能(たとえば、POPや販促資材、店頭のディスプレイ方法など)を小売業が自前で計画・実行していかなければならないからである。
カインズの場合は、PB商品を販売するための“店頭の仕組みづくり”が、別途に必要となるように思う。PB商品が100%のニトリやユニクロのように、店頭づくりや販売支援のための企画を担う特別な組織(たとえば、マーケティング企画部)と、それをガイドする基本的な理念が必要なのではないのか?
(Q4) カインズにあってほしいと思うPB商品(カテゴリー)を、具体的に提案せよ。
参考資料:
1 ㈱カインズ萩原氏、中島氏講演「カインズのPB商品開発(2011年版)」(IM研究科2011年春学期「マーケティング論」講演)
2 土屋・小川対談「販売革新50年目の視座」『販売革新』2012年7月号、64~66頁