9年ぶりに神奈川マラソンを走る + 体育教師たちの暴力談義

 神奈川マラソンのタイムは、1時間46分59秒だった。前半25分53秒、後半は25分38秒。上がり1.1Kが5分28秒。この頃、尻上がりにスピードが上げる傾向がある。年を経て単にエンジンの掛りが遅くなったのでは?という声も聞こえるが、それは気にしない。



 生まれて初めてレース前日に走ってみた。昨日、新鎌ヶ谷のスポーツジムで7Kだけだが。今日は、前日のランニングの成果が出たようだった。
 というわけで、これもこれまでやったことはないが、明日はレース翌日に長距離を走ってみようと思う。東京マラソンに向けて、仕上がりは順調である。今夜は9時前にベッドにもぐりこむつもりでいる。いつも東京マラソンの前は走り込みが足りなかったように思う。
 「月刊ランナーズ」などの記事を読んでいると、レース前後は走り込みをやめて、休息に当てた方がよいと書いてある。どうやらわたしには、その鉄則があてはまらないようだ。たんと痛めつけたほうが成果があがるM体質にできている。自分にあった練習方法があるのだろう。雑誌に書いてあることは鵜呑みにしてはいけない。個人差があるので、信用はほどほどに。

 ところで、9年前の2004年に、神奈川マラソンを走っていた。エクセルファイル上の記録によると、ゴールタイムは1時間39分55秒。フラットなコースだったからだろう。個人記録では歴代4番目の良いタイムである。
 レースの場所は、根岸線の磯子駅。日清オイルの横浜工場だったことは覚えていたが、クッキングオイルを1本もらって帰った記憶はない。
 神奈川マラソンでは、いつからこんな嬉しいプレゼントがつくようになったのだろうか?嬉しいことだ。レース結果のメールを送った花畑(元院生)からは、「クッキングオイルをもらえるなんて、主婦にはうれしいことです!」と。
 そういえば、三浦半島のマラソンでは、大根を1本もらったことがあった。いまでも、ありがたい賞品は持ち帰りになるのだろうか?不幸なことに、レース直後に疲れていたせいか、駅のホームに参加賞の大根を置き忘れてしまった。
 あの三浦大根はもったいなかった。誰かが持ち帰ったにちがいない。味噌汁の具になったか、すりおろしてお魚に付け合せられたか。寒い時期だったから、おでんのネタになったのだろうか?想像が膨らんでしまう。

 話は変わるが、今の時期は、大学院生の研究指導と学部生のフィールドワークに、とことん付き合っている。官庁関係や地方銀行など、年度末の締めの仕事も多く入っている。学生指導は、きちんと愛情をかけていれば問題はないと思う。
 卒業生の就職の世話や、メンタルで病んでいる学生が出てきたりで、実はその後始末などでたいへんだ。本音を言えば、若者たちが全般的に柔になったような感じがする。しかし、暴力は絶対によくない。

 わたしは、中高時代には、”超”がつく生意気な生徒だった。だからだろうが、秋田の中学校に生息していた暴力教師(体育教師)たちには、しばしばガツンガツン殴られたものだ。いまでも覚えている一番すごかったケースは、掃除用の柄の長い竹ぼうきで、何度も何度も繰り返して、頭のてっぺんを剣道の竹刀のようにガンガン殴られたことだ。
 もちろん、大方の原因はわたしの側にあったのかもしれない。しかし、自分のクラス生徒だけでなく、隣のクラスも全員がいる公衆の面前での暴力だった。わたしは生徒会長だったから、その体育教師としては見せしめのつもりだったのだろう。今度の高校バスケット事件とよく似た状況だった。
 わたしは、しかし、反省はしなかった。その教員に対しても、その後も少しもひるむことはなかった。、悔しかったが、泣くこともなかった。一粒の涙も流さなかった。そのことは、当時はPTAの役員をしていた両親にも言わなかった。
 でも、そうした体育教師たちに対しては、いつか勉強(頭脳)で見返してやると思ったものだ。「暴力こいて、生徒が躾けらえると思うな。バカヤロー」と。だから、いまでも、大学の運動部などで選手を殴る指導者を見ると反吐が出る。

 法政大学のある体育系の部長職を降りた経験がある。ある夏の日に、運動クラブの合宿所でそうした光景を目にしたからである。真実は、監督や親身になってもらった体育会OBたちにも話していない。しかし、中学校時代の殴打事件がトラウマになっていたことが間接的には影響していた。
 そのこと(暴力で指導するな!)を、部長のわたしが指摘しても無駄である。指導者たちが聞く耳を持っているとは思えなかった。だから、静かに身を引いたのだが。もはや時効の話である。
 殴ってもいいのは、人間の生死にかかわるときのみだ。たとえば、戦争の最中で指揮系統に支障が出るときだけだろう。それ以外は、とくに能力の向上がかかっている学習指導的な過程では、暴力は何の効果もない。選手たちの練習の取り組みを委縮させるだけだ。

 昨日、大分別府マラソンで、川内が大会新記録で優勝した。川内を指導する教員が、彼を殴ったとは思えない。母親には叱咤激励されたようだが、自分の力で這い上がってきたランナーである。
 良い成績やタイムは、困難を乗り越える自主的な努力から生まれる。決して、他人の恐怖心をあおるような指導から生まれてくるわけがない。最近の体育協会での不祥事を見るにつけ、科学と心理学を忘れた指導法が間違ったトレーニングを助長しているように思う。