「マクドナルド」の業績が急速に悪化している。11月の月次が発表になった。全店売上はもちろんのこと、客単価、客数ともに減少している。客数が減少することは、最近ではなかったことだ。同社の説明(IR発表)によると、土日が前年よりも一日少なくなったとある。だが、その効果は2%程度である。
問題は別のところにありそうだ。データをじっと見ていると、経営のどこかに異変が起きていることが感じられる。この数週間、店頭を観察している大学院生からは、「クルーから笑顔が消えている」(複数の観察者)とある。
客数を増やす施策をいったんは打ち切ったようだ。それはそうだろう。プロモーションをやりすぎたことで、質の良くない顧客が増えたからだ。数か月にわたって、客単価が下落してきたことを、もっと深刻に受け止めるべきだった。
店頭の回転が上がりすぎている。従業員が超繁忙になり、サービス業の生命線であるはずのESが低下してきた。これが原因で、さらなるCSの低下につながっている。また、逆向きに、この数年間の長期的なCSの低下が、結局はESに影響しているようだ。
客数増を優先する戦略に関して、同社は、短期的に急ブレーキをかけたようだ。これは、正解だと思う。もっと早くに基本に立ち帰るべきだろう。QSC+Vのすべての項目が落ちている。
同社は、基本戦略で転換を行うつもりだろうか? そうであれば、同社は、12月か1月には業績が持ち直すことになるだろう。ただし、短期的にはさらに売上は減少することになる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本マクドナルド発表(月次データ)
2012年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
全店売上高 3.5 1.1 8.6 -0.8 -8.4 1.5 -1.4 0.1 -1.1 -5.2 -1.6
既存店売上高 1.3 -1.2 6.0 -3.6 -11.0 -1.4 -4.1 -2.5 -3.6 -7.2 -3.1
客数 6.3 3.4 6.7 -6.4 2.2 4.2 1.6 6.6 1.3 4.6 -2.6
客単価 -4.8 -4.5 -0.7 3.0 -12.9 -5.4 -5.6 -8.5 -4.9 -11.3 -0.5
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー