【提案】 マラソン大会の中止に、返金のための「災害保険」を!

 台風15号と19号の余波で、先月の清川村(神奈川県)に続いて、「足立フレンドリーマラソン」(ハーフ)が中止になった。足立フレンドリーの開催日は12月22日で、第10回の記念大会だった。大会事務局の説明(ハガキ)では、荒川の河川敷がヘドロ状態らしい。台風の被災ごみがまだ撤去されていないとの説明があった。

 マラソン大会では、台風や大雪などで大会が中止になった場合、規約により返金はしないことになっている。2年前に横浜マラソンが台風で中止になったことがある。青梅マラソンは、かつて二度も大雪で大会が中止になった。しかし、どちらの場合も、参加費は返金されていない。

 参加証のタオルやTシャツが送られてくることはある。実際に、清川村(ハーフ)が中止されたあと、翌月には記念のタオルが送られてきた。今度の足立フレンドリーでは、お詫びの印にクオカードが配られることになったいる。

 このごろ大会参加の頻度が低くなったが、わたしは年平均で約20レースにエントリーしている。実際に走るのはそのうちの3分の2程度。仕事が忙しかったり体調不良で、参加費はもったいないとは思うが、年間で6~7レースはスキップしている。そんなランナーのひとりとして、災害や悪天候による大会中止についてひとつの提案がある。

 

 通常の大会参加規約では、台風や大雪など主催者としてコントロールできない災害が起こった場合、参加料を返金しなくてよいことになっている。皮肉なことに、わたしの知る限りでは、マラソン大会が中止になったほうが収益が上がるという矛盾が起こっている。大会運営のための警備や運営、人件費負担が少なくなるからだ。

 そうであるならばなおさらのこと、台風や悪天候の場合に備えて災害保険をかけておくべきではないだろうか。そして、参加者には返金してもよいのではないか。

 大会開催中の事故に関しては、おそらくは大会本部が傷害保険や生命保険などをかけているはずである。不幸にも、過去のいくつかの大会では、死亡事故や大けがなどが起こっている。わたしも実際に、そうした大会に参加して、不幸にも大きなけがをしたひとなどを見ている。

 災害による大会中止についても、保険は必要なのではないだろうか?

  

 そのように主張する根拠は、ランナーとしてのモチベーションに関係している。青梅マラソンでは、二回目の中止以降は30Kレースを走っていない。二度も中止に遭遇しているうえに、大雪の確率が10%程度あるからだ。

 それとは逆に、横浜マラソンが中止になった際は返金こそされなかったが、翌年の大会エントリー枠を前年のエントリー者に開放している。そのことが、大会についての好印象を与えることになった。

 災害保険で大会中止のリスクをカバーしておけば、実際に参加費を返金することができる。あるいは、横浜マラソンのように、中止の次年度には、自動的に大会エントリーができる選択権を与えることができる。「台風ごめんなさいキャンペーン」で、エントリーフィーを半額するなどの施策をとれば、大会のイメージをさらに上げることができる。

 結果として、保険によるキャンペーンが、翌年以降の参加者を減らさないことにもつながる。災害対策として、参加者目線から、マラソン大会の人気を高める努力をしてもよいのではないだろうか?地球温暖化と天候不順の影響で、この先も日本列島では台風や災害は避けられないだろう。