知床合宿は4日目に入った。中日の今日は、小雨になった。午前中は、雨の中を斜里の海岸線をウトロ方面に走る。昨日と同じコースだ。4KM地点で雨脚が激しくなり、途中で引き返すことに。3日目で体も重い。
レンタカーを停めていた辺りで、熊のような顔をした髭づらのお兄さんたちが、釣り竿をもって車から出てくる。鱒を釣りに来ているらしい。「今年も、去年もいまいちだね」
釣り人の常で、最高に釣れたときのことを彼等は忘れられないのだ。わたしも子供の頃のひと夏だけだが、キス釣りで入れ食いだった年がある。一日で、ひとり100匹を釣り上げた。
あれ以来、一日の魚の捕獲数では50匹を越えたことはない。あの日の海には、何か特別なことが起こっていたのだろう。きっと、釣り人になった人たちには、わたしのような体験があるのだろう。だから、いつまでも、入れ食いの一日を忘れないのだろう。
宿に戻ったら、隣の宿泊客が30~50cmクラスの鱒を包丁で捌いていた。おいしそうだが、宿の規則では、洗面所で釣った魚の内蔵の血を払うのは禁止だろう。あまりお行儀がよいとは言えない隣人だ。
午後からは、雨が本格的に降り始めた。仕方なく、午後のランは中止にした。時間ができたから、代わりに、中断していた書評をPCで書いた。『経営情報』に連載している書評である。知床に来る前に読了していた、新雅史(2012)『商店街はなぜ滅びるのか』光文社新書をとりあげた。blogの書評欄にも、同時に掲載する。新さんは、研究者としてはかなりいい線をいっているが、なにせ社会経験が不足している。学者としてのセンスはかなりよいので、もっと商業や販売の現場を歩くとよい。酒屋の息子なのだから、商売人の血は受け継いでいるだろう。ならば、中途半端な正義の学者にはならないことだ。現実は、新さん見てきた父親の実情よりもさらに厳しい。絵に書いたような理想論など、ほとんど無意味だと思ってほしい。商売人は、屍を乗り越えて自らの生きる糧を作ってきた。頭でっかちの商店街の再生など、役にも立たない。★4の書評欄には、このことは書かなかったけれど。
昨日は、昨年話題になった流通経済研究所編『ショッパー・マーケティング』日本経済出版社を、ようやく読み終えた。よく売れたようだが、正直、この本の新しさがどこにあるかは、よくわからない。インストアマーケティング(店頭マーケティング)やCRM(顧客関係性マネジメント)とはどこがちがうのか。その統合的な概念なのか。次回の書評に、取り上げることになる。
さて、ウナベツ温泉。もうすぐ、知床フラワーさかい、の武藤香苗さんご夫妻と妹さんが、保養所にワインを持参して、お風呂に入りに来る。大宴会のはじまり、はじまり~。本日は、雨で8KM。午前中だけになった。累計は、48KM。明日は、遅れを取り戻したいものだ。