2012年度春学期「マーケティング論」 講義資料1:学習ガイド2(テドロー論文) 課題1(カインズPB商品開発)

 2012年度IM研究科「マーケティング論」の講義資料(追加分の学習ガイドと課題1~9)を順次アップしていく。授業でもハードコピーを配布するが、授業前に確認するためのものでもある。本日は、テドロー論文(学習ガイド)と課題1(カインズ)である。

<テーマ討議1> ユニクロの海外(中国)事業(絞り込んだ課題)

(Q1)ユニクロが上海出店(2003年当時)で考えていた基本戦略は、「標準化路線」だったのか?「現地化路線」だったのか? いまから振り返って、その成否はどうだったのか?

(Q2)ユニクロの革新性の本質は、1998年(原宿出店)から2012年(各国の基幹店)で変わったのか? 変わったとしたら、どこが変化したのか? その変化のありようは一直線だったのか?
(Q3)アジアと欧米での海外事業展開の未来を構想せよ。ただし、マーケティングの基本的なB+STPの枠組みもとに、議論せよ。

<学習の参考>
2-1 5月17日

□テドロー論文:学習のポイント
(Q1): 産業革命以降の「マーケティングの歴史的な発展」を3つの段階に区別せよ。そして、時代を転換させた要因を整理せよ。(WHY?)

(Q2): それぞれの段階の代表的な企業を列挙せよ。「伝統的な企業」(OLD)は「新興企業」(NEW)にどのようにして乗り越えられていったのか?

(Q3): マーケティングの歴史に「第4段階」があるとすれば、それは何か? 現代が持つ時代的な意味は何か?

(Q4): 嶋口の説明(日本の戦後史)とテドローの説明(米国の現実)は、論理的に首尾一貫しているか?

<課題1: カインズのPB開発> (以下の質問に答えよ)

(Q1) カインズのPB商品開発をリードしている「基本的な考え方」(コンセプト)は何だろうか? カインズが自社PBを作る際に挙げている「ガイドライン」を3つあげよ。

(Q2) カインズの土屋裕雅社長は、2010年の経営方針(小川との対談記事を参照)で、「将来的には、PB比率を現状の30%から50%まで高めたい」と述べている。PB比率が50%を超えたときのメリットとデメリットを議論せよ。(ヒント:カインズの立場と消費者の立場に分けて考えよ。)

(Q3) 以下で述べる「小川の懸念」について、諸君の意見を自由に述べよ。

論点:
「カインズホームに限らず、小売業が主導してPB商品を開発するときは、どのような分野の商品を、どのように開発すべきかに目が向けられることが多い。ところが、開発が終わった商品を、どのように店頭で販売したらよいのかについてはあまり議論されることが少ないように思う。しかしながら、このことは、小売業として非常に重要な視点である。なぜならば、自社PBの開発を積極的に推進していく場合は、本来ならば、NBメーカーからあるはずの販売支援機能(たとえば、POPや販促資材、店頭のディスプレイ方法など)を小売業が自前で計画・実行していかなければならないからである。
カインズの場合は、PB商品を販売するための“店頭の仕組みづくり”が、別途に必要となるように思う。PB商品が100%のニトリやユニクロのように、店頭づくりや販売支援のための企画を担う特別な組織(たとえば、マーケティング企画部)と、それをガイドする基本的な理念が必要なのではないのか?

(Q4) カインズにあってほしいと思うPB商品(カテゴリー)を、具体的に提案せよ。