欧州ツアー#7:ポーランドは、ショパンとキューリー夫人とコペルニクスが生まれた国でした!

 朝一番で、ワルシャワ郊外の花市場に行った。ガイドさんの説明によると、夜中から営業している場所という。しかし、冬場で(いまも、氷点下6度)、ほとんど生花は置かれていない。凍ってしまうからだろう。葬式用のアレンジは、すべて造花である。



 辛うじて何軒か、生花をあつかっていた店がある。アレンジは、30ズルカ(1ズルカ=22円)。バラ5本、カスミ1本、黄色チューリッブ3本、+グリーン数本など10本が入っている。ドイツと比べた生活水準を考えると、これでもいい値段だ。花は贅沢品。
 チューリッブは25本で、30ズルカ(660円)。一本当たり35円。ドイツよりやや高いくらいだ。労働者の月収は10万円くらいだから、日本の3分の一。生活は貧しい。

 生花をたくさん使うのは、11月1日の創世節。お墓参りをするときだ。あとは、母の日と新学期(6月開始)、バレンタインにピークが来る。冬場は、花は苦戦するのだろう。
 街中には、24時間営業の露店の集まりがある。20軒ほどで固まっているが、日販では1、5万円~3万円。客単価は300円ほど。客数は、50~100人。センスがよさそうな若者が、ふらりと寄って買っていく。彼女に贈るためだろう。

 ワルシャワで見た、一般衣類の値段を紹介する。花市場の隣にあった露店では、ジーンズが1本27ズルカ(800円)、Tシャッ10ズルカ(220円)。品質は見た目もあまりだった。

 ポーランド最大の都市ワルシャワの総人口は、170万人、ワルシャワ都市圏で335万0人。東欧では中規模の都市だが、駅センターには、近代的な小売店がなんでも揃っている。
 H&M、ZARA、BOSS、英国のM&S、フランスのカルフール。小売店は、おおむね朝7時から22時まで営業している。日曜日は定休日らしい。スーパーやショッピングセンターは、休日も営業している。

 ワルシャワの旧市街に近いところで、オシャレな店をダッチフラワーGが借りている。通りの名前に由来した「新世界」という店名である。20坪ほどの売り場の半分は、雑貨を扱っている。
 ミニシクラメン、カンパニュラが、27ズルカ(600円)。ミディのランが、48ズルカ(1000円)。デンドロビウムが、85ズルカ(2000円)。切り花のシンビジウムが同じく85ズルカ。立派な大輪のバラが、1本10ズルカ(220円)。ガーベラの寄せ植えが21ズルカ(480円)。
 雑貨の売り上げが約半分だろうと思われる。大きな通り「新世界通り」に面しているせいか、お客さんがひっきりなしに来店してくる。

 同じ通りには、露店でチューリッブを売っていた。仕入れが、市場で1、25ズルカ。新世界通りでは、仕入れたチューリッブを1本2ズルカ(45円)で売っていた(粗利35~40%)。

 番外編である。わたしは気がつかなかったが、ポーランドには、3人の有名人がいた。ショパンとコペルニクスとキューリー夫人である。
 ショパン(Fryderyk Franciszek Chopin)は、1810年3月1日の生まれ。出身地は、ジェラゾヴァ・ヴォラで、1849年に没している。享年40歳。ご存知のように、主としてフランスのパリで活躍した、ロマン派の作曲家・ピアニストである。
 昼に食事をしたレストランは、1826年の開業だった。ショパンが16歳のときに、この店がオープンしている。ワルシャワにいたときは、わたしたちが昼食をとった同じレストランHONORATKA(ホノラツカ、女性店主の名前)で、しばしば食事をしていたらしい。
 なんと、ショパンが書いた楽譜と一緒に、レストランの地下に、本人の手形が残されていた。繊細な指が印象的だった。笑わないでほしいが、模型にわたしの手指を添えて並べてみた。なんとなく形がショパンに似ているのだ(笑)。もちろん、わたしのほうが短くて太いのだが、ショパンの手指はそんなに大きいわけではなかった。

 ワルシャワの旧市街は、ユネスコの世界遺産に指定されている。大聖堂のある教会や旧い石畳の美しい町並み。第二次世界大戦時に、ナチスドイツ軍の進攻で、完全に破壊され。しかし、戦後に奇跡的に復元されている。
 いままで見たことのない、美しい街の佇まいだ。パリやケルンなどとはちがう、自然な建物の美しさ。素晴らしいの一言に尽きる。実は、事前知識がなく、あまり期待してはいなかった。是非、ワルシャワの街を歩いて見ることをお勧めします!