信州小諸・中棚荘、滞在日記(2): 天狗温泉、浅間山荘にて、木更津高校自然観察クラブのバスに出会う

 ネットは繋がるようだが、ロビーまでPCを持ち込まないといけない。無線LANの具合がよくないらしい。秘書の福尾に、携帯から文章を送ってblogにアップしてもらうことに。アフリカやアジアの田舎にいるときと、同じパターになった。ここは、信州小諸共和国だな。



 信州小諸、中棚荘での滞在は二日目を迎えている。
 早朝から起き出して、千曲川沿いを4KM、走った。東京電力が管理する小さなダムを越えて、中棚荘まで戻ってきた。湿気はある。

 午前中は、ロビーの回線を借りて、ネットに接続。簡単に、昨晩もらったメールに返信しておいた。院生の栗野君からメールが来ていた。『28歳の仕事術』が、新宿の大手書店で、ビジネス書ランクの一位になった!と喜びの声。
 先週末と今週初めに、二回連続で、日経MJの一面下に、大々的に広告が出ていた。その効果かもしれない。大竹編集長の作戦だろう。
 わたしからも、院生達への側面支援をお願いしておいた。なんか、この作品は、まわりのみなさんに助けられている。

 午前中は、ニューズウイークと日経ビジネスをチェック。午後は、網倉・新宅著『経営戦略入門』日経新聞、第一部を読んだ。
 しばらく、そのままにして積んでおいた本だ。運が悪いことに、この本は4月発売で、大震災の影響をもろに受けてしまった。どさくさで、新学期のテキストとして、売り損ねたようだ。

 午後3時。高峰高原への山道に向かう。昨日よりさらに300メートル、上まで登ることにした。空気が薄い。なんとなく、そんな気がする。走ってみないと、本当はわからないが。
 ホンダCR-Vを、浅間山の登山口に続く、じゃり道の道端に停める。カギをランパンのポケットに挟む。お守りのスヌーピーが、ちと痛い。そこから4、5キロ先の天狗温泉まで。
 浅間山の登山口からは、往復で9KM。標高1300Mから1700Mまで、かなり傾斜のある砂利道を走った。最初は、恐る恐る。そろそろと足元を探りながらだ。
 行きは全部が上り、帰りはすべて下り。行きは28分、帰りは22分、かかった。山を下って来てみて、はじめて上りがあんなにきつい坂道だったことがわかった。まあ、結果的には、いい練習になったはずだ。

 最初の一日が終わる。今日は、朝夕のトータルで13KM。平均ペースだ。下り坂を跳びはねすぎたかも。明日の朝の走りで、やりすぎたかどうかがわかる。きっと、走りに修正が必要かも。
 浅間山荘は、気温が24度。泊まりたかったな。鉄分を含んだお湯が、真っ赤らしい。写真で見たら、天狗のような赤鼻をした、煉瓦のような色のお湯だった。
 山荘の駐車場の折り返し地点で、バスの運転手さんと目があった。プレートのナンバーが、袖ケ浦だ!わたしのTシャツをじっと見ている。

 「鎌ケ谷新春マラソン2009って、千葉で走ったんですよね」
 そうか、長野くんだりまできて、千葉や習志野ナンバーの車はめずらしいのか。まして、このバスは、悪名が高い!つまりは、暴走族のフランチャイズ、袖ケ浦のナンバーだ。
 運転手さんいわく。「木更津高校の学生を待っているんです」。
 木更津から来た自然学習の部活らしい。今晩、泊まるのは、佐久のほうの宿らしい。ここから小一時間はかかる。

 「暗くなる前に、ここを離れたいけど、先が長いからね」。
 たしかに、上り坂を走ってきたわたしから見ても、夜道は暗そうだ。路面を照らしてくれる街灯なんて、まったくない。
 ガードレールがない急峻なカーブが山道にあったな。谷間まで真っ逆さまか。
 引率の先生や生徒たちは、不案内な夜道を走るのを心配しているドライバーの気持ちなど、おかまいなしなのだろう。
 近くで歓声が上がった。めずらしい蝶々でも、きっと見つけたのだろう。

 「鎌ケ谷マラソンを走ったなんて。こんな山の中で、千葉のひとに会えるなんて、うれしいですよ」
 前を行く軽トラも、千葉ナンバーだった。若い運ちゃんは、暇そうにしているいる。女性のアテンダントも中にはいるみたいだが、わたしたちの会話には加わらない。

 運ちゃんに尋ねてみた。
 「ここは、海抜何メートルか、ご存知ですか?」
 「いや、勉強不足で、こんど調べてから来ます」と、ひとの良さそうなドライバーさん。
 「浅間山は、いまはリスク1だそうですね。あちらの案内板に書いてませんでしたか?」

 リスク1とは、浅間山の噴火の危険度を表す標準だ。立入禁止のリスク3まである。わたしが、登山口の案内板を、時間をかけて読んでいたのを、遠くからから見ていたのだろう。
 「いや、ここの標高は書いてなかったようですよ。わたしも、つぎは勉強してきます」(笑)

 夕方の4時半。日はまだ高いが、気温は23~24度。東京は31度らしい。
 それに比べれば、圧倒的に涼しい。山を降りる準備をはじめた。