(続)意見開陳: 破綻企業の株式再上場が続くのは良いことでは?

 GM(米国)やJAL(日本)など、いったん破綻した企業の株式再上場の話が新聞を賑わせている。それも、破綻から再生までは、かなりスピード上場である。しかし、世間の反応はやや冷たい、がわたしの印象である。襟を正して再出発している企業に、石を投げることはないだろう。


両社ともに、いつまでもむかしのままの姿(高賃金や好待遇)を引きずっているわけではない。失うもの(権利)は失ったあとなのだから、それも復活の励みにもなるだろう。労働問題と意思決定のミス、蔓延していた官僚組織が漆黒だったことは、よくわかっている。
 それと、敗者復活は、一般的には美談である。社会的にも、破綻しても(破産しても)、再起をかけることができるという意味で、両社の再上場はよいことではないだろうか?
 
 われわれ人間でも同じではないだろうか? たとえば、事業に失敗して首を吊ったり、海に車ごと飛び込んだりした企業家をわたしは幾人も見てきた。再起が可能なのならば、そして、そのチャンスとモデルが世間にたくさんあることを知っていたならば、彼らはそのような死に方を選ばなかったかもしれない。
 企業組織もしかりである。労働組合問題(GMもJALの不振も、半分はこれが理由だった)や意思決定の抜本的な改善(大型機の廃棄や路線の縮小)ができないままに、問題を先延ばしにしてきた。そのつけを、企業が破綻することによって一掃できた。そのあとに、平和があることを知ったり、企業破綻と再生には大いに意味がある。だから、両社の株式の再上場は、喜んでいいのではないだろうか?
 まあ、しかし、紙くずになった株主は、思いが複雑だろな。銀行だけは損をしないように仕組んでいる(笑)。だから、再上場なのだが、、、でもリスクはそれなりに銀行団もとってはいるが。