さみしいワンちゃん

近所にTさんというお宅がある。わが家からは、3軒おいて隣りである。運が悪いことに、昨年の秋に、放火で自宅を半焼してしまった。庭に置いてあったバイクからの飛び火である。犯人はまだ捕まっていない。実は、わが屋も一昨年、南側の駐車場で放火あり、危なかった。。


Tさん宅はいま、建て替えの最中である。お子さんのひとりが、わたしがコーチをしていた野球チームのメンバーだったので、家庭の事情もなんとなくわかっている。いったんご自宅を完全に壊して、新しい家を建築中である。
 Tさん宅はわんちゃんを一匹、飼っている。柴の子犬である。3歳くらいか?3人の男の子たちと奥さん(旦那さんは、数年前に亡くなった)は、建て替えが終わるまでは、各所にちりぢりばらばらで住んでいるとのこと。離散して再度集合ができるのは、数ヵ月先のことである。
 その間に、わんちゃんを預けることができないらしく、更地になった敷地に、簡易な犬小屋を作って、夜は、このわんちゃんはひとりぼっちである。毎日、餌の補充が必要なので、男の子の兄弟たちが、交代でわんちゃんを見に来て、池の周りなどを散歩に連れ出す姿を見かける。
 やさしい男の子たちでよいのだが、家族が帰ってしまうと、そのわんちゃんはかえってひとり寂しくなるらしい。ちいさくてひと恋しいのか、今日も長いブレスで、わ~んわ~ん、と吠えている。どうにかならないものかと、窓を開けるたびに思ってしまう。
 まだ更地で地鎮祭をしたばかりだから、ご自宅が完成するまでには、半年くらいはかかるのだろう。それまで、毎夜のさみしい遠吠えを聞くのは辛い気がする。わんちゃんもであるが、ご近所もそうだろう。あずかってあげればいいのでは、と思う。わがやはそれほど親しくはないので、差し出がましいとは思う。が、近所の家のお庭は、ある程度は広い。広い敷地の北側、小さな簡易な犬小屋で、毎晩寝ているわんちゃんを見るのは、にいつも忍びない気になる。
 こういった犬を見てくれるNPOはないものだろうか?ペット研究会の大西さん!なんとかなりませんですか?半年間・・・毎晩、寂しい遠吠えを聞くのは、近くの家なら、わたしよりもっとたまらない気持ちにならないかな。