奥出雲の海潮温泉から

二ヶ月ぶりのレースは散々だった。嵐のなかのハーフマラソン。鳥取県大山町、名和マラソンフェスタの21Kは、1時間55分43秒。最近では、圧倒的に悪いタイム。ほとんど練習をしていないのだから、しかたがない。走った距離は正直だ。


レンタカーを借りている。名和から米子を通り過ぎて、ところどころ、無料区間がある高速道路で松江まで。お金をとったら、誰も乗らないのだろう。ニーズがない路線をただただ、ばらまきで造り続けてきたつけだ。
 松江からは、さらに山のなかに入った。20分ほどか?嵐のなかをドライブした。海潮温泉、海潮荘。日本秘湯を守る会、島根県唯一の宿である。やや高めの料金を言われたが、ここしか選びようがない。10回の宿泊で一泊無料のスタンプが3枚終わった。4巡り目で、最初のスタンプがもらえるたったひとつの宿。
 もう嵐は通り過ぎて、雨が上がっている。部屋の窓からは坪庭が見える。新緑が美しい。お風呂も素敵である。石や植物の植生に気を使っている。露天風呂の庭には、樹齢800年の椎の木がある。1200年代に、どんぐりから芽が出て、こんな風に、苔むした木になった。鎌倉時代生まれなのだろうか?信じられない。樹木は動けないのに、長く生きるものだ。
 今晩(5月17日)、泊まっているのは、海潮荘。秘湯の条件はひとつだけクリアしている。携帯の電波、オンとオフが微妙である。あとは、立派過ぎて、秘湯とは呼べない。まだ、料理はわからないが、ロビーもお部屋も、お風呂も2つ星である。海潮温泉は、二件宿だそうだ。
 ひとりで来るには、もったいない素敵な宿である。日本の秘湯のなかでは、かなりランクが上である。一泊が17000円。本来はお忍びで来るべき旅館と見える。関東からは足が長く不便である。逆に、知り合いにはまず絶対に会わないだろう。
 松江空港から30分。東京羽田からなら、二時間もあれば海潮温泉まで来れる。案外と穴場かもしれない。関東圏にあるお忍び系の宿にありがちな、変なけばけばしさがない。部屋の作りも、仲居さんの接客態度なども好感が持てる。2万円以下だから、気張れば払えない値段ではない。微妙な価格設定ではある。
 ここへ至る道筋には、名所旧跡もある。日本最初のお宮は、歩いても15分のところ。棚田もある。明日、かえりに観光をしようかな。めずらしく。