評価できる日本の経営者、『週刊ポスト』からのアンケートへの回答

 一昨日、『週刊ポスト』(小学館)の阿光さんから、アンケートのお願いメールが届いた。5年前にも、同様なアンケートに答えた記憶がある。昨日の夕方になって、ご本人からわたしの携帯に連絡が来た。回収率がイマイチなのか?時間があったので、質問に答えておいた。

 

 前回は、玉塚元一さん(ローソン)、川野幸夫さん(ヤオコー)を推挙した記憶がある。今回は、メンバーを刷新してみた。この間に知り合った何人かの経営者を推薦しておいた。それと、やはりナンバーワン経営者として、柳井さんと新浪さんを上位に配置した。

 新顔のトップは、カインズの土屋会長である。また、期待の星は、オイシックスの高島さん。それとなく登場しているのが、昨年引退した「物語コーポレーション」の小林さん。独特の発想(経営理念は、Smile&Sexy)から、地方の飲食チェーンを全国レベルの優良企業に育てあげた功績は大である。

 

<回答者>(週刊ポストのアンケート)
 法政大学・小川孔輔(経営大学院教授)

 

①(代表権の無い名誉会長などを含む)現役の経営者で、現在「最高」と思う3~5人の「名前(&企業名)」と、それぞれの「順位(1位から3位~5位)」、それぞれ(一言ずつだけでも構わないので)選んだ「理由」を教えてください。

 

1 柳井 正(ファーストリテイリング)
 *事業家としての理念、孤高、決断力、抜きんでています。
2 新浪剛史(サントリー)
 *どの会社でも通用するプレゼンスの高さ、人間的な魅力。
3 岩田弘三(ロック・フィールド)、
 *理念経営の徹底、環境への配慮、社員が働きやすい会社を実現。
4 小林佳雄(物語コーポレーション) 
 *独自の経営理念、新しいチェーン店運営方式の創案。
5 土屋裕雅(カインズ、ベイシアグループ)
 *2度の業態転換を成し遂げたこと、トップとしての権限移譲が秀逸

 

②5年後に「最高」の経営者になっていると思う現役の経営者、または経営幹部(社長候補)など3~5人の「名前(&企業名)」と、それぞれの「順位(1位から3位~5位)」、それぞれ(一言ずつだけでも構わないので)選んだ「理由」を教えてください。

 

 1 竹増貞信(ローソン)
 *ローソンから出身母体(商事)のトップに戻ることもありか?
2 高島宏平(オイシックス・ら・大地)
 *典型的な「ジジ殺し」のスマートな青年実業家
3 鳥越淳司(相模屋食料)
 *超飽和市場(とうふ市場)を刷新した天才マーケター
4 増本 岳(カーブス)
 *顧客と社員を本当に大切にするベンチャー起業家
5 柚木 治(ファーストリテイリング GU)
 *大いなる失敗(野菜事業)から現在のポジションをつかんだ社内事業家

 

③  完全に引退、または死去した経営者で、過去「最高」だったと思う3~5人の「名前(&企業名)」と、それぞれの「順位(1位から3位~5位)」、それぞれ(一言ずつだけでも構わないので)選んだ「理由」を教えてください。

 

 1 藤田 田(日本マクドナルド) 
 *天才経営者
2 稲盛和夫(京セラ)
 *稲盛哲学が多くの経営トップを生んだ社会的な貢献
3 坂本 孝(ブックオフ、俺の株式会社)
 *新事業カテゴリーを創造を重ねた天才事業家
4 鈴木敏文(セブン・イレブン)
 *コンビニという事業領域を創発した功労者
5 松本 晃(カルビー)
 *会社の使命を徹底したプロ経営者の鏡

 

④ 「最高の経営者」に求められる能力や人柄はどのようなものか。現代でも過去でも結構ですので、上に挙げた最高の経営者を1人挙げて、その人物の能力や人柄を御存知でしたら教えてください。

 

 わたしが尊敬する「最高の経営者」は、物語コーポレーションの小林佳雄さんです。性別・年齢・国籍を問わず、先入観をもたずに人と接する姿勢が経営者として素敵です。組織より個人を上位に置く会社経営。独特の発想(経営理念は、Smile&Sexy)から、地方の飲食チェーンを全国レベルの優良企業に育てあげた功績が大です。コンビニやフードチェーンに見られるように、本部と加盟が対立しがちなフランチャイズ経営に、相互利益をもたらす組織風土づくりの仕組みをもたらしました。